トラブルの現場は、東京・多摩地域にある米軍と自衛隊が共同使用する飛行場、横田基地のほど近くにある。

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東京・昭島市に住む男性:
(家の庭には)全部で40種類くらいのバラがある
これが結構地域の人の楽しみになってて・・・

東京・昭島市に住む女性:
そこがインゲンで、ジャガイモ、キュウリ、ネギ、ナス・・・
向こうはイチゴとか・・・

花を育てる人、さらには家庭菜園を楽しむ人・・・。
こうした土地は、実は“国有地”なのだ。
この国有地を巡り、今住民の間に困惑が広がっている。

現在、この国有地を巡り住民の間に困惑が広がっている。

約3㎡の国有地を見てみると・・・

東京・昭島市に広がる約2万9000㎡に及ぶ国有地の場所を見てみると、住宅地の中に国有地が虫食いのように混在していることが分かる。これは、横田基地の騒音被害対策として、移転を希望する住民の土地を国が買い取り国有地化してきたためだ。

その土地で住民たちは・・・

東京・昭島市に住む男性:
これがブドウの房ですね
これが大きくなると、いっぱい(房が)なっててかわいいんですよ

住民によると、こうして国有地を使い始めたのは1970年頃からだという。
そのきっかけは・・・

東京・昭島市に住む男性:
野ねずみが出るわ、蚊は発生するわ、
いま畑にしてきれいにしているけど・・・

住みよい美堀町を求める会
小柴登志江会長:

空き地になった国有地が草ぼうぼうで、野火も発生したなかでなんとかしようということで・・・

オアシスが“フェンスだらけの街”に・・・。住民は反発

約半世紀にわたり住民が管理し、事実上利用が“黙認”されてきた国有地。
しかし2018年、横田基地周辺の国有地が周辺住民に使われていることを会計検査院から指摘され、防衛省側が動いたのだ。

防衛省側は住民に対し、2019年9月末までに国有地を明け渡すよう通知し、国有地を利用している住民約170人に2019年5月中の同意書提出を求めている。防衛省側は、明け渡された国有地にはフェンスなどを設置するとしているが、住民は“街がフェンスばかりになってしまう”として反発し、住民の43世帯56人がグループを結成して防衛省側に住民説明会の開催を要請している。

東京・昭島市に住む男性:
(周りをフェンスで)囲まれてしまうと、塀の中にいるような感じになる

住みよい美堀町を求める会
小柴登志江会長:

(周辺を鉄柵で囲うと)住民が動物か囚人のようになっちゃうということで、反対運動をしようってことになった

昭島市の担当者は「地域の分断や住環境が損なわれることがないよう、丁寧かつ適切な対応が図られるよう国に働きかけていく」としている。

一方、防衛省はトラブルとなっている国有地について2019年5月20日の国会で、「周辺財産の管理が適切に行われなかったということについては、我々が反省しなければいけないと考えている。防衛省としては、周辺財産の適切な管理に努めていく」と答弁している。

(「Live News it!」5月27日放送分より)