草津温泉の伝統文化 時間湯

「にっぽんの温泉100選」(観光経済新聞 主催)で16年連続1位に輝く 群馬県の草津温泉。
その人気温泉地に古くから伝わる伝統文化をめぐり“ある騒動”が起きている。

問題となっているのは草津温泉に伝わるといわれている「時間湯」とそれを支える「湯長」という制度
「時間湯」とは決められた時間の間、温泉につかる入浴法である。
江戸時代末期から明治時代初期に 湯治客の間で始まったといわれ、現在では体験入浴も含めて年間約1万8000人が利用している。現在は、草津温泉にある「地蔵の湯」と「千代の湯」という2か所の施設で行われている。

時間湯には欠かせない“湯長”の存在

草津温泉と言えば“湯もみ”を思い浮かべる人が多いのではないだろうか?
この“湯もみ”は時間湯入浴の準備として行われる行為だ。

現在、草津温泉には2人の湯長がおり、草津町の臨時職員として働いている。
その時間湯で入浴の指導や、湯治客の健康面をチェックしているのが湯長だ

井田剛文 湯長(58):
自分が車イスに乗ったり非常に痛い怪我をしたりしていますから見て盗めの世界から入ってきて経験則でやってきたものです。

 鈴木恵美 湯長(34):
自分の磨いてきた技術次第では本当に様々な人を手助けする可能性を秘めていると思いますので誇り高い仕事だと思っています。

“湯長”廃止の動き

しかし草津町は先週、湯長の契約を更新しない方針を発表した。
 
湯長の廃止について草津町黒岩信忠町長はこう話す。

草津町黒岩信忠町長:
湯長の契約を更新しないきっかけは草津温泉時間湯保存会が作成した 時間湯Q&Aという文書です。
一番大きいのは湯長が実際に問診をしてそれに合わせた湯浴のスタイルで入れさせる…
 その一連の行為が医療行為に当たるということです。
もうひとつは文書に『“効かない病はない”と言われるくらい効果があります」 と、書かれていること。
このようなことを書くと薬事法・薬機法に触れる可能性がある。

さらに町長はこうした指摘もしている
時間湯Q&Aには、時間湯は裸で入浴するのが原則で湯長が異性であっても体の状態を把握するためにも必要なことであるという記載がある。こうしたことによって精神的な苦痛を味あわせてしまうことになりかねない。

そのため2020年の4月以降は湯長との契約を結ばないということだ。

突然の発表に湯長は
井田剛文 湯長:
大変残念な思いです。私が今まで見てきたお客さんとか先代から引き継いできた経験を残していくという責任を果たしたい。私は給料なしでもいいです。

湯長廃止 その影響とは

湯長制度の廃止を懸念する専門家もいる。

布施医院 温泉療法医 布施正博院長:
事故を防ぐということには湯長は重要な働きを持っていると思います。 湯長をなくすならば安全対策をしっかりしなければならないと思います。

さらに湯長廃止について湯治客はこう話す。

湯治客:
お湯を作るのは、湯もみとその技術、湯長さんの感覚。それを管理する湯長さんがいなくなると、そのお湯が作れなくなるのでは?と危惧しています 

「草津温泉時間湯保存会」では、町長との話し合いの機会も伺いながら今後の対応について協議していくということだ。 

(「めざましテレビ」5月31日放送分より)