ケーキのはじっこを利用し、フードロス削減

日本で1年間に捨てられる食品の量は、約650万トンに上る中、フードロスの削減の動きを取材した。

おいしそうなジェラート!このジェラートがフードロスの削減に大きく貢献しているという。

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ぶどうの木商品企画室 池田薫室長:
ケーキを製造する際に出る端材、はじっこの部分があるんですけど、これをうまく使えないかと利用して作ったジェラートです

そう、ジェラートに使われているのは、ケーキを作る時に出る「使わない」部分なのだ。

店ではケーキを大きい型に入れて焼き上げる。
型枠とくっついているはじっこ部分は、見栄えが悪いため捨てていた。

捨てられていた端っこの量は一つのケーキで月に3キロ。このタイプのケーキははじっこだけで廃棄量は16キロに。

ぶどうの木商品企画室 池田薫室長:
はじっこをお徳用として、そのまま袋詰めして、お買い求めやすいボリュームと価格で今まで販売していました。当社としては、食品ロスを削減しながら、それを使って新たな価値を作ることに挑戦するのが当社の仕事かなと考えました

先ほどのジェラートは7月から販売を開始。
商品名は「はじっこ」から「ハジコ」になった。

店では、ジェラートの他、捨てていたバウムクーヘンのはじっこを使った「キャラメルりんごクーヘン」も開発。捨てられていたものに新しい価値が生まれた。

自治体もフードロス削減に積極的に関与

フードロスの削減には自治体も積極的だ。
石川県金沢市は今年5月からあるアプリの活用を推進している。

金沢市温暖化対策室 西川実室長:
このアプリです

TABETEというこのアプリ。格安の食品の情報が詰まっている。

食品は店側が廃棄を予定していたもの。
アプリからは利用者に通知が届き、商品をクレジット決済で購入する仕組みだ。
現在、金沢市内では36の店が登録している。

金沢市温暖化対策室 西川実室長:
まだおいしく食べられるのに廃棄される食品ロスの削減のため、(アプリを活用する)フードシェアリングモデル事業を実施しました

TABETEに登録しているこちらのパン屋さん。これまで売れ残ったパンは全て廃棄していた。

ぱ・ぱん 田渕尚治さん:
(廃棄は)残念ですけど、出るときは出ますね。夕方来てくれるお客さんにも(たくさんのパンを)選んでほしいし、(商品が)少ないと帰られる方もいるので

妻 詩寿江さん:
お店してから子供が生まれて閉店するときにお手伝いをしてもらうのですが、子供がパンを捨てる。(家では)食べ物を大事にしましょうとか、残さないでねと子育てしているのに、店のお手伝いをしてというときは、まだ食べられるパンを手伝いとして捨ててもらっているので、すごい矛盾を感じますし、朝早くからお父さんが作っているのを見ているので、「もったいない」と子供達も言います。食べ物を扱う者として、すごく矛盾を感じます

店では売れ残りそうなパンがあれば7、8個詰めて半額ほどで販売している。
アプリ登録以降、売れ残りは少なくなった。

買い物客:
安いのと、普段食べられないパンも色々食べることができるのでメリットがあると思う

ぱ・ぱん 田渕尚治さん:
捨てるということを考えたら、こういう(アプリを)活用すればいいと思うんですけど、どうせ処分をするなら食べてみてって感じ。

「余りもの」に新しい価値を。「フードロス」を無くす第一歩だ。

(石川テレビ)

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