‟給与ファクタリング”摘発 福岡県内では初

支払い前の給与の買い取りをうたう、「給与ファクタリング」と呼ばれる手口。
違法な高金利で現金を貸し付けた疑いで、福岡市の元会社社長ら4人が逮捕された。

記者:
午前8時すぎです。男が捜査員に連れられて自宅から出てきました。これから車両に乗り込みます

1月28日、福岡市内でテレビ西日本が独自にとらえた、頭からフードをかぶる男。警察の任意同行を求められ、出資法違反などの疑いで逮捕された福岡市博多区の元会社社長・清田朋章容疑者(41)。

貸金業法違反などの疑い 清田朋章容疑者
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記者:
違法という認識はあったんですか?

清田朋章容疑者:

警察によると、清田容疑者は、共に逮捕された元社員3人と共謀し、2020年3月から5月にかけて、貸金業の登録を受けずに、前借りなどと称して支払い前の給料を高額な手数料を差し引いて買い取る「給与ファクタリング」と呼ばれる手口で、法定の最大19倍の高金利で現金を貸し付け、約28万円の利息を受け取った疑いが持たれている。

貸金業法違反などの疑い 清田朋章容疑者

給与ファクタリングの摘発は、福岡県内ではこれが初めてとなる。

そもそもファクタリングとは、事業者が、取引先から将来入る予定の売掛金などの債権を業者に買い取ってもらうことで、当座の現金を確保する資金調達の仕組み。

ファクタリングの仕組み

清田容疑者は、この事業者向けのファクタリング会社を経営していたが、この仕組みを悪用して、個人向けの違法な「給与ファクタリング」を繰り返していたとみられている。

容疑者の会社があったビル 福岡市中央区

高額な手数料が差し引かれ…

コロナ不況の中で、全国で問題となっている「給与ファクタリング」。
以前、別の業者を利用したという男性が取材に応じた。

給与ファクタリングの元利用者(20代):
相手の業者側からは、「あなたのお給料を債権として一部を買い取ります」と言われるんですね

給与ファクタリングの元利用者

給与ファクタリングの利用者は、勤務先から給料を受け取る権利、すなわち「給与債権」を給料日より前に業者に売り渡す。そうすることで必要な時、すぐに現金を手にできる仕組みだ。
一見、給料の前借りのようにも見えるが…

給与ファクタリングの元利用者(20代):
例えば「7万円分買い取ります」と言って、実際に7万円分こちらには送られてこないんですよ。「そのうち手数料を引いた5万円を、今あなたの口座に送ります」となる

給与ファクタリングの元利用者

実際に手にできるのは、高額な手数料が差し引かれた申込額の5割から7割ほど―

給与ファクタリングの仕組み

金利に換算すれば、法定限度をはるかに超えた高金利だ。

「会社に言うぞ」取り立てもヤミ金さながら

そして、取り立てもヤミ金さながらだと専門家は指摘する。

永長寿美子弁護士:
生活できないから業者の方には返せないと言うと、「会社に言うぞ」と言われて、それが脅しみたいになって返してしまうんだけれども、生活が立ち行かないということで相談に来られる方が多い。もうヤミ金だと思います

永長寿美子弁護士

福岡県内でも、弁護士への相談が2020年3月ごろから急増していて、ひと月に200件を超えることも―

永長寿美子弁護士:
コロナ(の影響)じゃないかなと思うんですよね。目の前のことしか考えられなくなってしまうくらい困窮されていることは分かるんですけども、本当にここで借り入れをすることが良いのかどうかは、ちょっと立ち止まって考えてほしい

この会社では、全国で約600人に対し、3,000万円を貸し付け、実際には1,800万円もの利息を得ていたということで、結果として貸し付けの半分以上を利息として得ていた。

警察によると、今回逮捕された清田朋章容疑者は「給料の買い取りなので利息はない」「即日現金化できますよ」などと、巧妙な誘い文句を使って勧誘していたという。

今回逮捕された清田容疑者ら4人は、任意の調べに対し容疑を否認していて、警察は容疑の裏付けや金の流れなど実態解明を進める方針だ。

(テレビ西日本)