逆走車両による多重事故が発生

6月4日午後7時過ぎ、福岡市早良区の交差点に逆走した車が猛スピードで突っ込み、計6台が絡む事故となった。
この事故で、逆走した車を運転していた小島吉正さん(81)と妻の節子さん(76)が死亡。ほかの車に乗っていた人や歩行者ら7人が怪我をした。

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これは、事故の瞬間を捉えたドライブレコーダーの映像。
シルバーの車が猛スピードで交差点に突っ込み、衝突された車は回転しながら歩道に弾き飛ばされている。
突っ込んできた車は反対車線を完全に逆走していた。

事故直後の交差点には衝撃の光景

そして事故直後の交差点では、目を疑う光景が広がっていた。

学習塾の前の歩道には、ひっくり返った車が乗り上げている。
そのそばには交差点に突っ込んだ車もあり、フロント部分が大破していた。

さらに交差点内にも、後ろが大きくへこんだワゴン車があった。現場では救急隊員らが救護活動を行っていた。

事故の目撃者:
ドワーン!という聞いたことがないような音がした。車が、ボーン!とひっくり返る感じ。

約650メートルを逆走...なぜ?

小島吉正さんが運転する車は、交差点に至るまで反対車線を約650m逆走し、次々に車と衝突した。

これは、交差点に突っ込む直前の逆走を被害車両の1台から捉えた映像。
センターラインをはみ出しながら、猛スピードで接近し接触した。

こちらのカメラには、猛スピードで逆走しながらほかの車を追い抜いていく様子が映っている。

衝突されたタクシードライバーは、当時の様子をこう語った。

タクシードライバー:
(逆走してきて)自分の車線に戻るだろうと思っていたら、そのまま来たから慌てて避けたんです。衝撃はすごかった。シートベルトしてなかったらあばら折っている。

もし対向車が逆走しながら迫ってきた場合、ドライバーはどのように回避したらよいのだろう。

JAFメディアワークスの鳥塚俊洋さんは「スピードを落とすことは大切です。スピードを落とせば、万が一衝突したとしても、その時の衝撃は減りますので、少しでも安全になります。(ハンドルで)よけなければいけない時にもよけやすくなります」と話す。

免許返納を口にしていた

またしても起きた高齢者ドライバーによる事故。

死亡した小島吉正さんと親交のあった男性によると、小島さんは危ない運転をするような方ではないという。
車で地域を巡回する「防犯パトロール」を10年以上行っていたが、高齢者による運転で母子2人が命を落とした東京・池袋での事故を受け、免許返納について周囲に話すことがあったという。

小島さんと親交のあった男性:
すぐには(免許返納を)考えてなかったが、そのうちしないといけないというのはあった。あなたの運転だったら大丈夫だから、という話は常にしていた。

警察は、ハンドルを握っていた小島吉正さんが運転中に意識を失っていた可能性もあるとみて、調べを進めている。

家族は免許返納をどう促すべき?

加藤綾子キャスター:
警察庁によりますと、75歳以上で運転免許を自主返納した人の理由で一番多かったのが「家族などに勧められた」で3割以上を占めているんです。高齢者問題に詳しい川口雅裕さんによりますと、「頭ごなしに返納を求めない」ことが重要だというんですね。

例えば、車がないと不便という人には「相乗りで一緒にお買いものしましょう」と提案してみたり、「運転が生きがいなんだ」という人には、車の維持費を旅行や新しい趣味に回すことを勧めてみることが大事だといいます。

風間晋解説委員:
高齢者ドライバーによる大きな事故が、これだけ続いているじゃないですか。免許返納をどうするのがいいかと気になっている人も少なくないはずなんですよね。そういうときに軽く背中をポンと押してくれると、いい決断ができるのかなと思います。

加藤綾子キャスター:
相手の気持ちが和らぐような言い方、コミュニケーションのとり方をすることが大事なのかもしれないですね。

(「Live News it!」6月5日放送分より)