ブルーシートが必要な住宅に業者手配

台風の被災地支援の動きが広がる中、独自色あるサービスを展開する企業でも、強みを活かす形での支援に乗り出している。
千葉県では、10月15日から11月30日まで、破損した住宅の応急防水施工として、屋根をブルーシートで覆う修繕支援を行っている。

相次ぐ台風で大きな被害を受けた千葉県では、被災した住宅の多くで、いまも応急防⽔施⼯が実施されておらず、専⾨技術をもった⼯事業者が不⾜しているという。
この業者の手配を行うのが、建設工事業者と建築現場のマッチングプラットフォームを運営する「ユニオンテック」だ。
ブルーシートを張ることを希望する人に対して、サイトを通じて業者を手配している。

 
 
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災害の際の停電対応でも支援の動きがある。
エネルギーソリューションのコンサルティングや、メーカー向け開発のサポートなどを行う「三ッ輪ビジネスソリューションズ」は、静岡県伊東市で、停電の際の発電支援を実施。
市役所で、職員や自治体の担当者などに、停電の際の発電機の使い方や、注意点をレクチャーするなどの支援を行っている。

 
 

モビリティの分野では、中古車店「ガリバー」の運営会社「IDOM」が新規事業としてスタートさせた、月額定額制の車乗り放題サービス「NOREL」が、11月から被災地で100台の車両を無償で貸し出しするサービスを行うことを決めた。
IDOMは「移動手段を必要としている方々が一刻も早く日常生活を送れる」ことの支援が、自社でできること、すべきことと考えたと説明している。

外国人へ向け、通訳サービス無償提供

一方、日本に滞在する外国人を視野に入れた支援も行われている。
多言語コールセンターなどを運営する「ランゲージワン」は、台風接近による自治体からの避難情報発表に伴って、緊急災害多言語通訳サービスを無償提供した。
専用電話などによる24時間対応を行い、例えば、役所の窓口などを訪れた利用者が、コールセンターに接続した電話機を役所の担当者に渡すと、その場で伝えたいことをコールセンター側で通訳してくれる。
また、災害関連情報などを発信したい自治体が、情報の文章をメールで送ると、外国語に翻訳してくれるサービスを行う。対応言語は、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ロシア語、タガログ語、ベトナム語、ヒンディー語、ネパール語、インドネシア語。

多言語対応をめぐっては、WEBサイトの多言語化を提供する「Wovn Technologies」でも、今回 鉄道の運行情報をリアルタイムに外国人に正確に届けるため、10月11日朝に、社内で自発的に「緊急対策チーム」を発足。一部の私鉄の運行情報を英語、中国語の簡体字、繁体字、韓国語の4つの言葉に人力で翻訳して提供した。

 
 

このほかにも、モバイルバッテリーの貸し出しや、外出ができないときに、アプリで医師に相談ができるサービスなど、さまざまなサービスを無料開放するケースも次々と出てきている。
災害からの一日も早い復旧へ、各社の支援が引き続き求められそうだ。

(フジテレビ報道局 経済部 西村昌樹記者)

西村昌樹
西村昌樹

フジテレビ報道局 FNNプロデュース部デスク 元経済部デスク