商業施設で女性殺害事件 逮捕された少年“異常な環境”で育つ

2020年8月 福岡市中央区の商業施設で女性を殺害したなどの疑いで、福岡県内の更生施設に入所していた15歳の少年が逮捕された事件。
少年は2020年12月 殺人などの非行内容で、出身地にある鹿児島家庭裁判所に身柄を送られた。

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少年を幼い頃から知る男性は、少年が「異常な環境」で育ったと話す。

少年の幼少期を知る男性:
母親が、息子(少年)に対して包丁振り回したり、家の中では愛情もくそもなかったね

少年の幼少期を知る男性

少年は小学校でも孤立。
高学年になる前に児童養護施設に入所したというが、施設の職員に暴力を振るったとして、2019年  少年院に送られた。

少年の幼少期を知る男性:
暴力っていうか、こう、やられるからやり返すみたいな感じ。母親も、もう手に負えないと思ってるからさ

少年院を仮退院した2日後、事件は起きた。
商業施設内で包丁2本を盗んだ少年は、女性の左胸や首など数カ所を刺したとされている。
その際、女性を執拗に追い回したとみられていて、少年は当時、「女性に興味があり近づいた」などと供述していた。

記者:
午後1時過ぎです。少年を乗せたとみられる車が裁判所に入りました

鹿児島家庭裁判所で1月19日午後、始まった少年審判。
鹿児島家裁は、共感性や想像力の欠如で少年が他者との情緒的な結びつきを持てないこと、これまでの矯正教育に前向きに取り組まず、今回も反省の姿勢が乏しいことなどを理由に、少年院での更生は著しく困難と指摘。
刑事処分が相当だとして、少年を検察に送り返す「逆送」を決定した。

検察は近く、少年を殺人などの罪で起訴するものとみられ、成人同様、裁判が開かれる可能性がある。

愛する娘を奪われた母親「惨めさに涙が止まらない…」

被害者が5歳のときの手紙:
「いつもやさしいおかあさんでありがとう」
「いつもごはんつくってくれてありがとう」
「うれしいよ」

被害者の女性が、5歳のときに母親に宛てて書いた手紙。
愛する娘を突然奪われた母親が公開した。

被害女性の母親:
保育園で字の練習で書いてた作文で、これを読んだ時には胸が、きゅんとなって、かわいくてかわいくて、その当時のことをいまだに憶えているんですけど、私も思わず抱きしめて、「お母さんも好きよ」って言ってたら、にこって笑って。とにかく本当にかわいい子でした。葬儀で娘の姿を見たとき、手と腰のあたりと首周りにたくさんの傷があり、あまりの惨めさに涙が止まらなくなりました

少年から謝罪の言葉なく…「娘と同じ目に遭わせたいが」

少年審判の結果、15歳の少年が成人同様の裁判を受ける見通しとなったことを受けて、遺族は改めて厳しい厳罰を求めた。

被害女性の母親:
犯人に更生してもらいたいとか、そういうのを考える余裕はありません。犯人には一生刑務所に入っていてほしいと望みます。

被害女性の親族:
包丁を握って何回も止めてるんです。「こんなことしても何もならないよ」って。「殺さないで」って。その時に、なぜやめてくれなかったのか。はっきり言って、悪魔としか思えない

19日の少年審判には、遺族も意見陳述のため遺影とともに出廷した。
しかし、少年が謝罪の言葉を口にすることは最後までなかった。

被害女性の母親:
落ち着いてました。ものすごく落ち着いて淡々と答えていました。そして少年側から謝罪の言葉をまだ一度も聞いていないんですね。それを私は聞きたかったんですけど。犯人への憎しみ怒りがこみ上げて、私も犯人に娘と同じ目に遭わせたい。でも、してはいけないとあの日からずっと苦しみ続けています

いつも笑顔が絶えなかった娘。
周囲を明るくしてくれる家族思いの優しい娘。
その笑顔は二度と戻らない。

(テレビ西日本)