「老後2000万円問題」の責任は?
麻生太郎金融相:
責任の所在は今の段階ではなんとも言えま…言えま…言えせん…言えませんけども。現場でいろいろ作業していた人たちが、もう少しきちんと丁寧にやればよかったかなというのが基本的な見解です
6月14日閣議後会見で「老後2000万円問題」の責任について問われ、一瞬言葉に詰まった麻生大臣。
報告書の受け取りを拒否した日にはワーキンググループに聞いてほしいと言っていたが、14日は、金融庁の役人と答えた。
麻生太郎金融相:
ちょっと本会議のベルが鳴っているので(会見を終わっても)いいですか?俺が仕切ってるんじゃないんだから。あなたが仕切ってるんだから遅れたときは責任とってね
そして午後行われた衆議院の財務金融委員会で麻生大臣は野党から厳しく追及されることとなった。
国民民主党 緑川貴士議員:
大臣(金融庁からの報告書の)説明を聞いたとき、自分たちのスタンスと違うと思わなかった?
麻生金融相:
最初の(報告の)段階で5万とか2000万とか聞いた記憶が私自身にはありません
国民民主党 緑川貴士議員:
このブリーフィング(事前説明)は適切だったと思うか?
金融庁 三井秀範企画市場局長:
不適切な部分(5万や2000万)について事前に説明しなかったのは私の落ち度だと反省している
麻生金融相「年金受け取っているか?」事務方に確認
さらに質問は麻生大臣自身の年金にも及び、その口からは思わぬ答えが…
立憲民主党会派 大串博志議員:
大臣、年金は受け取っている?
麻生金融相:
受け取っているか?(事務方に確認しながら…)受け取っていないと存じます
立憲民主党会派 大串博志議員:
「受け取っていないと思います」?自分が年金を受け取っているかどうかも存じない。事務方から聞かないと自分が年金を受け取っているかどうかもわからないということですか?
麻生金融相:
この件については君(秘書)に任すと言った以来、私はこのことに関して正確な記憶がありません。私自身は年金がいくら入ってきてという心配をしたことがあるかという点では、自分の生活としては心配したことはありません
収まるどころか過熱する一方の老後2000万円問題。14日は問題後、初の年金受給日ということで、今後、年金の使い道は変わるか、変わらないのか。Live News it!では年金受給者50人に聞いてみた。
年金の使い道が変わった80代の女性:
変わったかな。月々10万円は持ち出しですね。旅行に誘われるんですけどお断り
年金の使い道は変わらない60代の女性:
積み立て投資が一番いい。あれ使って。NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)使って
年金の使い道は変わらない70代の女性:
もう節約。火の車どころの騒ぎじゃない
などの答えが返ってきた。スタジオでは…
加藤綾子キャスター:
そのアンケートの結果がこちらです。老後2000万円問題が出た後でも年金の使い道は変わらないと答えた方が50人中45人。9割を占めました
加藤綾子キャスター:
答えを詳しく聞いてみますと「電車に乗らず歩いています。これ以上、節約できない。」中には、80代の方で「バイトで生活している」など切り詰めて生活しているという理由で、変わらないではなくて変えられないんだということが分かりました
風間晋解説委員:
「年金2000万円不足という表現は誤解を与えました。でも、年金100年安心は大丈夫です」っていうのが政府・与党の立場ですよね。でも、年金生活者の実態はキツキツで(今更)変えられないということ。だから、麻生大臣にちゃんとこの実態、現実は伝わっているんだろうかと。答弁を聞いていると金銭感覚がズレズレだよねという感じで心配ですね
加藤綾子キャスター:
もう少し我がことのようにとらえていただかないといけませんね
(「Live News it!」6月14日放送分より)