6月15日から長野県で開かれるG20、主要20カ国と地域のエネルギー・環境大臣会合。
主要な議題の1つは「海洋プラスチックごみの削減」

会合に合わせて開催された展示会では・・・
展示会参加者:
「素晴らしい。このストローは分解できるんですね。木でできてるんですか? 紙ですか?」

会場を訪れた原田環境大臣らが手にしたのは、木製のストロー。
会場には「脱プラスチック素材」など、 100を超える “日の丸技術” が展示されている。

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こちらのワイシャツは 500mlのペットボトル約8本から作られている。

加藤崇 記者:

「触ってみると、つるっとしていて伸縮性があるんですね。サッカーのユニフォームみたいな感じで、着心地が良さそうです」

さらに、シャツの包装には紙ボックスを使用。 型崩れを防ぐためのクリップなど、ワイシャツ1枚あたりで約25グラム使用していたプラスチックを削減しました。

株式会社はるやまホールディングス 中村萌さん:
「現在、消費者の方もこの海洋プラスチックの問題などに注目されていて、自分からエコな商品を買いたいというお客様も見受けられるので(従来品と)価格を変えないで提供するようにしています」

化学メーカーのクラレが製造している 「プランティック」
一見、これまでと同じプラスチックに見えるが、主にデンプン素材から作られており、 CO2の削減にもつながっている。

株式会社クラレ 片倉剛志さん:
「たとえば、食品の香りを維持したり、外からいやなにおいを寄せつけなかったり、また、酸素の遮断もするので、食品の酸化劣化を防止して賞味期限を延長する効果もあります」

空気を遮断する性能の高さから、 欧米などではパスタや肉類などの包装に。
また、韓国ではコーヒー豆の包装材として使用されている。

このほかにも、石油を一切使わず、 主に石灰石を原料とした袋も展示されるなど、「脱プラ」への 日本の様々な取り組みが紹介されている。

15日からの2日間の会合に向け・・・
原田環境相:
「国際的に(海洋プラスチックごみが)どういう状況にあるのか、必ずしも統一した統計とかそういうものがございませんので、まずはこの問題について、しっかりとした枠組みができればと、今努力しているところです」

番組コメンテターの松江英夫さん(デロイトトーマツグループCSO):
「プラスチック製品は、2050年までに現状の3倍ぐらいまで増えると見られている。これが何らかの形で海に捨てられた時に、魚の重さと比較した場合、2014年は1:5だが、2050年には1:1となりプラゴミと魚の重さが同じになってしまう」とした上で、

「これを改善するために、よく言われるのは3RReduce:つくる・減らす  Reuse:使う・再使用 Recycle:捨てる・再利用)これらをいかに循環させていくのかが大事となってくる。その中でも日本はRecycleに関しては意識もレベルも高い。たとえば、ペットボトルのリサイクル率は84%ぐらいで、アメリカの2倍程度の高い水準となっている。しかし、これからの日本はReduceとReuseをどのように強化していくのかが課題となる。たとえばReuseでは、日本は一人あたりの廃棄量はアメリカに次いで世界で2番目の高さになっている。こういう所から日本は意識を変えていく必要がある。さきほどのように「脱プラ」の製品を意識して買うとかすれば、それが作る側にも影響を与えて、循環型のシステムができあがっていく。これが大事だと思う」とコメントした。

(「Live News α」 6月14日放送分)