“会議の質”を評価できるシステムが登場
ダラダラと続いて時間通りに終わらなかったり、長いわりに何も決まらなかったりと、ビジネスパーソンにとって悩みの種である“会議”。
調査会社「パーソル総合研究所」の2018年の調査によると、1万人規模の企業では年間約67万時間、15億円の人件費を会議で無駄にしているという。
こうした中、“会議の質を評価できるシステム”が開発され、11月2日からシステムの提供が始まる。
このシステムを開発したのは、音声認識技術を活用した製品の開発を手がけるアドバンスト・メディア。
11月2日にバージョンアップする、法人向け自動文字起こしアプリ「AmiVoice スーパーミーティングメモ」によって、会議の質の採点が可能になるのだという。
AIを使った音声認識機能がリアルタイムで文字起こしした“文字データ”などを基に、全体の進行や参加者個人の行動を分析。
“必要な資料が共有されているかどうか”、“時間が守れているかどうか”、“発言者の割合”といった複数の観点で意味のある会議だったか、質を評価するのだという。

評価する基準は複数あるというが、どういった場合に評価が高くなるのか?
このシステムを開発した、アドバンスト・メディアの担当者に話を聞いた。
“会議自体”と“会議参加者”の評価が別々に出る
――このアプリは、どのようにして使うものなのか?
PCとスマートデバイス(スマートフォンやタブレット)を使用します。
スマートデバイスは1人1台必要です。
会議の主催者はPCサイトから会議の設定を行い、参加者は、スマートデバイスにIDとパスワードでログインし、設定された会議に参加します。
会議中は、各自のスマートデバイスで音声認識を行い、会議の採点結果はPCサイトで確認できます。
――どのようにして、会議の質を評価する?
「会議自体」の評価と、「参加者個人」の評価は、別々に出します。
「会議自体」は、“事前準備”、“会議中・会議終了後のそれぞれの行動”や“発話”で評価をします。
“事前準備”は、スケジュール管理ができたか、資料を閲覧したか、“会議中”は、時間通りに会議を運営できたか、全員から意見が引き出せたか、“会議終了後”は、誰がいつ何をするのかを決めたか、次回会議の予定を決めたか、などが評価の基準になります。

「参加者個人」は、“会議の発言時間”、“発言回数”、“ポジティブ発言の回数”、“ネガティブ発言の回数”で評価します。
音声認識で、会議での発言はすべて文字化しているため、例えば、「いいですね=ポジティブ」、「できません=ネガティブ」といったイメージで評価をします。

ダラダラした無駄な時間がなくなり、意見が活発化
――どのような場合に評価が高くなり、どのような場合に評価が低くなる?
「会議自体」の評価は時間や行動が守られていれば高くなり、「参加者個人」の評価は発言量、回数などが多い場合に高くなります。
逆に評価が低くなるのは、時間や行動が守られず、発言量、回数などが少ない場合です。
――社内の会議で、このシステムを使ってみた?
はい、使用しました。
ダラダラした無駄な時間がなくなり、意見が活発化しました。
会議後に評価が見えるため、「内容の濃い会議を行う事ができるようになった」「会議の後に何をするのかが明確になったと」いう声がありました。
働き方改革が言われる中、ダラダラと長くなりがちな会議が“見える化”されることは、業務の効率化につながり、個人の評価が出ることで活性化にもなるだろう。
このシステムで質を評価することで、会議自体の問題点をチェックしてみるのもよいのかもしれない。