緊急事態宣言の発令から一夜明け、愛知と岐阜の通勤や観光地、飲食店などを取材すると、緊急事態宣言が出ても危機感が高まっていない現状が見えてきました。

 愛知と岐阜に緊急事態宣言が出され、初日の朝を迎えた名古屋駅前。

 14日朝も、多くの通勤客の姿が見られ、前日の同じ時間帯と比べてみても人出はほとんど減っていないことがわかります。

40代女性(飲食業):

「電車の中はいつもと同じ感じで、人が減ってる感じはないですね。会社に行くしかないのであまり気にしないようにしています」

50代女性(事務職):

「そんなに大きく変わった印象はないですね。5月あたりは(テレワーク)一生懸命やってたんですけど、現在はまだ具体的には決まっていないです」

 緊急事態宣言が出されてもほとんど変わらない街の様子。それは、遠方へ向かう高速バスでも…。

愛知から長野へ行く男性:

「帰省です。妻と子供を帰しているので、それも兼ねて実家に帰って迎えに。会社をあえて休んで平日にしたのと、人が密集する時間は避けてますね」

 別の家族は…。

神奈川から白川郷へ旅行へ行く家族:

「横浜からですね。白川郷から金沢まで。(Q.いつ頃に決めた?)10月頃に。子供の休みに合わせて」

 7日前から緊急事態宣言が出ている神奈川県から、緊急事態宣言下の岐阜県に旅行するといいます。

神奈川から白川郷へ旅行へ行く家族:

「前から決めていたことなので、迷ったんですけど。あまり人に近づかないように。席の予約とか、宿の予約でも他の人と密にならないように注意してます」

 バスターミナルの利用客数はもともと少ない水準が続いていて、緊急事態宣言による変化はみられませんでした。

 一方、去年マスクや消毒液などを買うため長い行列ができたドラッグストア業界。今回の緊急事態宣言で影響はでているのか、14日朝、名古屋市内のドラッグストアを訪ねましたが、特に大きな混乱はなく、感染対策に欠かせないマスクや消毒液などの衛生商品も十分に在庫がありました。

 SNSなどの影響で姿を消したトイレットペーパーや、前回の緊急事態宣言の際に品薄になった即席めんも、隙間なく並んでいました。

客の男性:

「慌てて買ったものは別にないですね。普段と変わりない生活で」

客の女性:

「(買ったのは)マスクです。たくさんあるなと思いました。前回より甘くなっちゃってる自分もいるな、でもこの宣言で切り替えなきゃだめだなって思います」

ウエルシア名古屋代官町店の店長:

「注文して普通に入荷するので在庫の心配はございません。前回よりも焦った買い込みはないので、危機感という部分でも、まだ余裕があるのかなと思います」

 取材で見えた緊急事態宣言への薄い危機感…。そんな中、危機感を強めているのは飲食店です。

 名古屋市東区の「すし旬」。緊急事態宣言を受け、予約のキャンセルが出ているといいます。

すし旬の村田社長:

「普段は予約を取ってもらったりとかあったんですけど、予約もまばらですし、キャンセルも普通にあるし」

 さらに、売上に大きな影響が懸念されるのは「時短営業」。緊急事態宣言で18日から、午後8時までとさらに厳しくなるため、店では新たな取り組みを初めていました。

村田社長:

「1つでも(テイクアウトで)注文してもらったら、大トロも中トロも数関係なく半額でテイクアウトできるようにしていこうと思っています」

 午後8時以降も行えるテイクアウトを強化。1人前注文すると、中トロと大トロを半額で追加できるサービスを14日から始めました。

村田社長:

「少しでも売上を上げていく形で。この際、お客さまに喜んでもらって、落ち着いたらまた店に来てもらって」

 緊急事態宣言の発令で募る不安。それは岐阜の観光地でも…。

朝市で店を出す女性:

「(売上)ガタ落ちですよ、ガタ落ち」

 高山市の中心地で毎朝開かれている朝市。14日朝は観光客の姿はほとんどなく、地元の人が数人訪れているだけ。通常なら平日でも多くの人が訪れる、古い町並みも、観光客が少ないからか、多くの店が休業していました。

観光に来たカップル:

「やばいですよね、ぜんぜん人いないです。お土産だけ買って帰ります」

 休業する店が多いなか、営業を続ける煎餅店は…。

店主の男性:

「もともと年末にGoToが一時停止になって、それでお客さんがガクッと減ったところに、今日からの緊急事態宣言でほとんどお客さんがみえない状況なので、ものすごく厳しいですね。高山なんかは観光で成り立っている街なので、いわゆる飲食店は補償があるんですけど、うちなんかは全く補償がないですから厳しいですね」

 2度目の緊急事態宣言。危機感が高まっていない状況が見られた一方で、感染対策の矢面に立たされている飲食や観光業は、さらなる厳しい現実に直面していました。