新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けている航空業界。全日空と日本航空は、来年度の採用中止をすでに決めています。客室乗務員を目指す学生は挑戦の機会も無いという状況です。それでも夢を諦めないと話す、学生に密着しました。

去年11月、仙台市にある就職予備校では、客室乗務員を目指す大学生が面接の練習をしていました。

大学3年生 小澤星奈さん(面接練習)

「世界のお客様に対して、安心して乗っていただけるフライトづくりに貢献したいと考えております」

予備校に通いながら客室乗務員を目指す、大学3年生の小澤星奈さんです。幼稚園の時から英会話教室に通い、将来は得意の英語を生かしてグローバルに活躍する客室乗務員になることが夢です。

大学3年生 小澤星奈さん(英語で)

「私の将来の夢は客室乗務員になることです」

しかし、彼女たちは今、逆境に立たされています。今年度、合わせて1200人以上の客室乗務員を採用した全日空と日本航空が、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化を受け、来年度の新卒採用を中止。この学校では過去5年間、卒業生全員が国内外の航空会社から客室乗務員の内定を得ていましたが、来年度はわずか1人…。異例の事態となっています。

大学3年生 小澤星奈さん(韓国語で)

「今コロナで家にずっといるので、ドラマを見て楽しく過ごしています」

よりたくさんの人を案内できるよう、韓国語も勉強するなど努力を積み重ねてきました。

同じ授業を受ける大学生

Q.小澤さんの印象は?

「何事にも努力をして、何か相談や分からないことがあったら、私たちは星奈ちゃんに聞くという感じです」

大学3年生 小澤星奈さん

「客室乗務員の先輩が『才能よりも努力の量』と言っていたので、私も努力すればなれるのかなと思ったので、頑張ってみようと思いました」

小澤さんが努力を続けられる理由。それは…。

大学3年生 小澤星奈さん

「自分の努力や頑張りが人の喜びにつながるのが、客室乗務員の魅力だと思います。実際に自分が、これまでいろいろな国に足を運んで、いろんな出会いがあって、いろいろな人とつながることができて、私がいろいろなことを工夫して、世界の人を喜ばすことができるので、客室乗務員を目指しています」

一方で、航空業界の業績回復の見通しは立たず、就職試験を半年後に控えた小澤さんは、方針転換を迫られていました。この日、訪れたのは大学の就職支援課。職員と今後の方針を話し合いました。

就職支援課の職員

「でもどうしよっか、これからな…」

大学3年生 小澤星奈さん

「本当はエアラインでいくのが一番いいですけど、採用が無いので他の業界も、今は見ていて…」

客室乗務員という夢に向かって努力を続けてきた小澤さん。個人の努力だけでは解決できないコロナ禍の現状を冷静に分析し、新卒としてホテル業界を目指し、数年後、航空業界へ再挑戦することを決めました。

大学3年生 小澤星奈さん

「客室乗務員になるときに必要なサービススキルをホテル業界でも身に付けられると思って志望しています」

東北学院大学・就職キャリア支援課 佐々木克典 課長

「来年度の就職活動は、厳しいとは思いますが、求人についても例年よりも少し悪い程度で、リーマンショック以降の状況ではないので、あまり悲観的にはならないでほしいなと思います。ただ企業は採用を絞ってくるのは間違いないと思うので、大学3年生の今からきちんと準備をしていただきたい」

一旦は遠のいた、子どもの頃からの夢。岩手県の実家から小澤さんを応援し続けてきた両親も娘の決断を前向きに受け止めていました。

母・小澤洋子さん

「本人がすごく頑張っているのは、ずっと前から見ているので、将来的に本人が夢をかなえてくれればいいかなと思っています」

コロナ禍という現実を受け止め、今できることを始めた小澤さん。客室乗務員という夢に向かって一歩一歩、歩みを進めます。

大学3年生 小澤星奈さん

「絶対いつかは回復してCAという職業も必要とされる日が来ると思うので、そのときまで頑張ろうと思います」