契約者の不利益になる乗り換えを勧誘?

6月24日の朝日新聞が郵便局の扱う「かんぽ生命」ついて報じた。記事によるとかんぽ生命が高齢の契約者らにそれまで契約していた保険を解約させて、より不利益な保険に契約させた疑いがあるというのだ。

こうした報道に保険評論家の山野井良民さんは…

山野井良民氏
郵便局は悪さするわけないと思っているワケですよ

この記事の画像(9枚)

街でも…

女性
ショックは大きいよね

女性
そういう話を聞くと何を信じたらいいのかしら…

めざましテレビ「ニュースのミカタ」では、その実態に迫った。

「かんぽ生命」は小泉元総理らが実現させた郵政民営化によって、2006年に設立された日本郵政グループの生命保険会社だ。2019年3月期の保険料などの収入は約4兆円と、日本生命、第一生命ホールディングスに次ぐ3位の規模を持つ。また全国の郵便局が保険の代理店となっているのが特徴だ。

都内の商店街でかんぽ生命の加入者に話を聞いてみると…

男性
何が得で、何が得じゃないか素人にはわかりづらいじゃないですか。ですので勧められたら、そうかな~っと思ってしまいますよね

女性
かんぽ生命を信用していたので…もうちょっとしっかりやってもらいたい

女性
みんなを裏切っていますよね。(郵便局を)信頼して入っている人は多いと思う

今回の報道についてめざましテレビが「かんぽ生命」に問い合わせると、「不適切な販売という認識はなく契約者にはしっかりと説明し、納得してもらったうえで契約を結んでいる」との回答だった。

1カ月で約5800件の契約者に不利益な乗り換え契約

「かんぽ生命」は2018年11月分の新規契約について社内調査したところ、元の保険を解約し、新たな契約を結ぶいわゆる乗り換えが約2万1000件あったという。
そのうち約5800件で保険料が高くなるなど契約者にとって不利益ともいえる契約があり、またそのうちの300件を実態調査したところ、数十件で変更内容を理解していない契約者がいたということだ。

こうしたことについて「かんぽ生命」は「結果的に契約者に理解してもらえなかったことについては反省しております」と回答した。

月収とほぼ同額の保険料となる保険を勧誘したケースも…

実際、保険評論家の山野井良民さんも、かんぽ生命と契約する知人から月額保険料がかなりアップする乗り換え契約の勧誘を受けたことについて相談を受けたという。

また「かんぽ生命」が新規の契約にこだわる理由は他にもあるという…

山野井良民氏:
新規契約のほうが手数料は大きいわけです。

今回の問題の背景について生命保険業界のし烈な顧客争奪戦もあるのではと指摘していた。

「かんぽ生命」を傘下に置く日本郵政の長門社長は、6月24日の記者会見で…

日本郵政 長門正貢社長
きっちりお客様のサインをいただいている案件ばかりなので、何か法に反するようなルール違反をやったとは考えていない。ただ、指摘されているような側面があったということですから、不適切の定義にもよりますが、そこについては我々反省しております

三宅正治キャスター
これが本当にその人の収入やライフスタイルに合った契約だったのかどうかということですよね。もし不適切契約があった場合、失った信頼を取り戻すのは大変だと思います

(「めざましテレビ」6月25日放送分より)