島根県美郷町は、車による荷物の配送にかわるドローンを使った空の物流構想に乗り出す。中山間地域の課題解決へ、夢の街づくり実現への挑戦を取材した。

12月、島根県美郷町の小学校グラウンド。

かわるがわるドローンを飛ばしているのは全員美郷町役場の職員。

(大坂 和正記者)

Q「遊びですか?」

(美郷町企画推進課 矢渡正宏さん)

「(遊び)じゃないです、ドローンが当たり前に飛ぶことに理解を得るためには、まずは職員が啓発していく必要がある。」

役場職員のドローン研修その理由は・・・。

(美郷町企画推進課 矢渡正宏さん)

「一級河川・江の川が還流している、川を使ってドローンを飛ばす。」

(美郷町企画推進課 石田圭司課長)

「町内全域を空の物流で確保していきたい。」

過疎化、高齢化の進む美郷町の課題。

(地元のコンビニ経営者)

「商品を高齢者や買い物困難な人に届けることがもっと簡単になれば。」

さらに・・・。

(美郷町企画推進課 矢渡正宏さん)

「まず配達されなくなる地域は、コストのかかる中山間地域、人手不足で配達に手が回らなくなる将来が考えられる。」

そこで、車による配送ではなくドローンに荷物を載せ、道路ではなく江の川の上を飛んで住民へ荷物を届ける計画だ。にわかには信じがたい空の物流構想。

(美郷町企画推進課 矢渡正宏さん)

「佐川急便がトラックで運ぶものをドローンで運んでみる。」

1月14日には、美郷町と佐川急便共同の実証実験が始まる。12月の住民説明会では、江の川の上を全長約1.5メートルのドローンが数キロの荷物を抱え約6キロの距離を飛行する実験案が示された。基本は遠隔による自動操縦だ。

住民からは・・・。

(地元住民)

「あまり軽いものでは意味がない、500グラムや1キロ程度なら無理にドローンを使う必要ないだろう。」

(地元住民)

「夢ではないが、夢のような話、買い物難民の所にでもそこから、ここへと持って行けるなら、違った方向性はあるかもしれない。」

実現性への疑問の声はあるが、町は中山間地域の先進事例となるべく、ドローン物流実現へ動き出した。

(美郷町企画推進課 石田圭司課長)

「実証実験までたどり着けた。実際にドローンが本当に物を運ぶ形で実現していきたい。」

加えて町では、ドローンを飛ばすための電力についても驚きの計画を進めている。

(大坂 和正記者)

「太陽光のエネルギーをこの超巨大な蓄電池にため物流をまかなう全てのドローンを飛ばそうという計画です。」

相次ぐ江の川の氾濫、こうした災害時の防災拠点となる公園や公民館に3日分の電気を賄う設備を国の補助金を活用し整備中だ。将来、この電気でドローンを充電し、再生可能エネルギーによる物流の脱炭素化の実現も視野に入れる。

(美郷町企画推進課 矢渡正宏さん)

「いつまでも住み続けられる町になるために、物資運搬、買い物運搬、医薬品運搬が当たり前の世の中になればいいなと。」

こうした美郷町の取り組みに売り込みも。この日姿を現したのは、国内最大級8枚の羽根を持つ全長約3mの無人ドローン実験機。町は地域住民とドローン活用の協議会を作り、物流以外にもドローンの活用法を探っていて、東京の大手電工会社が50キロの荷物を輸送可能な実験機のプレゼンに訪れた。

(担当者)

「きょうは25キロです、次回50キロ」

ドローンで重い荷物を運搬、集まった人の反応は・・・。

(建設業者)

「防災時の運搬は期待できる」

(林業関係者)

「苗木を(山へ)多く運べれば労力が減る、期待したい」

実現へ動き出した美郷町のドローン物流構想、14日予定の実証実験はどんな結果をもたらすのか、今年が持続可能な町へむけた大きなターニングポイントとなる。