ホウドウキョク編集部の学生ライターチームが、リディラバ社が主催する社会課題の現場を体験する「スタディツアー」に初参加

現場での学びをレポートする。

日本は戦略に乗せられていた!?

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家畜飼料といえば固形を想像すると思うが、それはトウモロコシを売り込むためのアメリカの戦略にすぎないという話がある。だが実際は、畜産大国の主流はリキットフーズなのである。今回訪れた株式会社日本フードエコロジーセンターの高橋巧一さんが、その真相を教えてくれた。

まず、このリキットフーズには大きく2つのメリットがあるという。

1つ目はコスト面。良質な食品循環資源を水分のまま活用することで製造コストが下がるのだ。具体的には、一般的な配合飼料の半分程度の価格にすることができるという。

2つ目は家畜の健康面だ。リキッド状だと家畜の消化に良く、排泄時のアンモニア臭も軽減できるとされる。また、乳酸菌発酵によって善玉菌を増加させるため、免疫力の向上や整腸作用を促し、家畜の疫病率の低下や抗生物質の投与を減らせることもできるそうだ。

このことから、リキッドフーズは低コストながらより安全で健康的な豚肉を届けることができることになるだろう。

廃棄物はどのようにして生まれ変わるか


高橋さんによると、フードエコロジーセンターにはリサイクルに適した廃棄食品だけが運ばれてくるという。さらに、事業者ごとにリサイクル品がバーコード管理され、「いつ」「どこから」「どれだけ入ったか」がわかるようになっているそうだ。これにより飼料の栄養価の一定化が図られ、さらには、万が一問題が生じた際には追跡することができるようになっているという。

そして搬入されてきた廃棄食品は、下記の手順で飼料となる。

①破袋機で袋を取り除いた後、金属探知機にかけ選別
②破砕しドロドロの液状となったものを滅菌
③乳酸菌発酵
④タンクローリーで豚舎に運搬、給餌

現在、食品リサイクル法の施行で食品を再生する動きが高まっているが、高橋さんは「これまで廃棄食品は堆肥にばかり使われていたという現実がある」と指摘する。その結果、大量に生産された堆肥の消費が追いつかず、最終的には山に捨てる状況となっていたという。こうした課題解決のため、廃棄食品を家畜の飼料として再利用する試みが研究されてきたのだ。


【VR動画】搬入されてきた食料廃棄物

【VR動画】処理の工程(投入作業・選別作業)

フードロスをなくす為にできることは?

ワークショップの様子


工場見学の後、実際に課題の解決方法のアイデア出しを行った。

「大学の近くに賞味期限が近いタイムセール商品だけを並べたアウトレットスーパーを作ってはどうか? お金のない大学生に優しいし、食品のロスも減ると思う」
「一人暮らしだと食材を余らせることが多い。パッケージの見た目にはこだわらないので、量り売りを増やして欲しい」

消費者ひとりひとりが、もう一度「もったいない」の精神を持とう。我々も、そのひとりとして大きく意識の変わった1日となった。

株式会社Ridilover/一般社団法人リディラバ

スタディツアー:「売れ残りはどこへいくの?」膨大なフードロスのこれからを考える
訪問先:日本フードエコロジーセンター
文:菅 直輝、ノルド 絵莉華、森嶋 めぐみ


(執筆:editors room)