「それって、ホント?」と言いたくなるマナー、多くありませんか?
 新入社員のキャトウさんも、そんな“もやもやマナー”に悩まされるひとり。

今日は大事なメールを作成中にもやもや…

この記事の画像(9枚)

メールを送る際、必ずチェックする送信先。
けれどそこでちょっと気になるのが、アドレスの並び順だ。

SNSでは「必ず役職順に並び替えてる。特別面倒くさい作業でもないし…」「社長からそうしろと怒られた」という声がある一方で、「新入社員に、そういうことはしなくていいよと伝えた」「並び替えなくちゃいけないなら、“偉い順リスト”をくれ!」などの声も。

そこで、今回のテーマは…

さっそく、企業などでの人材育成などでもマナー指導を行っている、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにお話を聞いた。

西出氏:
ダメと言い切ることではありません。しかし、できるのであれば、その方が良いと思います。
 
Eメールも文書のひとつです。Eメールは、もともとは簡易なコミュニケーションツールとして誕生しましたが、現在では、LINEなどのさらに簡易なコミュニケーションツールがあるため、近年、特に、ビジネスでのEメールは、手紙などの文書同様に丁寧に書く傾向が強まっています。

したがって、手紙などの文書同様に、役職順にメールアドレスを表示させることをおすすめいたします。役職順にするということは、相手に対する敬意の表現とみなされます。



手紙などに比べて、素早くやりとりできるメール。
しかし、近年ではさらにリアルタイムに近いやりとりができるアプリやツールが増えてきている影響で、さすがに頭語や結語は不要だが、メールもカジュアルなものではなく、キチッと丁寧に書くもの、という傾向があるそう。

手紙やメールの書き出しで「○○株式会社 △△部長、□□課長、××社長」のように、宛名を“偉い順”に並べない人は少ないだろう。
それと同じように、アドレスも役職順に並べるのが良さそうだ。


とはいえ、並び替えは「絶対にするべき!」ものではなく、あくまで「不快に思われるリスクが軽減する」「良いと評価される可能性がある」というもの。
やらなくてはマナー違反!というわけではないので、そこは注意しておきたい。
 
アドレスの並び替えはしたいけれど……AさんとBさん、どっちが偉いの!?と悩んだときにはこんな方法もある。
 

西出氏:
先方からのメールに返信をする際には、先方から送信されてきた順番の通りに返信をすると問題はないでしょう。

一方、こちらから複数名に送信する場合は、その案件に直接関わる人や、もしわかっていれば社歴の長い人などの順にしてみてはいかがでしょうか。先方からの順番も、このような観点から入力しているケースが実際に多く見受けられます。


最近では「肩書きを持たない」という会社も増えつつあるが、「偉い順って言われても…」と悩んだら、テキトウに並べてしまうよりキチンと意味を持たせた並び順にするのがスマートだろう。


そしてさらに、一目置かれる?ワンポイント。


西出氏:
自社のメールシステム環境によるところもありますが、「●●会社_営業部_フジ太郎様<fuji@●●.co.jp>」のようにメールアドレスの前に、社名とお名前に敬称をつけてアドレス登録すると、それが先方にも表示されて届くため、一目置かれます。
 
アドレス登録などができない場合は、宛名の欄に直接入力できるメールソフトもあります。面倒なことではありますが、先方に敬称をつけて送信をしたいと思う人は、こういうことをなさってもマイナスなことにはならないでしょう。
もちろんこれも、絶対的な決まりごとではありません。
 

今回の“もやもやマナー”、アドレス欄の並び替えは敬意を示す大事なポイント。
しっかり勉強していけば、キャトウさんの名前が“いちばん左”に表示される日も…近い?

(漫画:さいとうひさし)

「それってホント!?もやもやマナー」特集をすべて見る!
プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。