世界の面白ニュースをギュギュっと集めたウェブマガジン・クーリエジャポン。今週も井上威朗編集長に伝えてもらいます。
就任から約5カ月。連日ニュースをにぎわせているトランプ大統領。アメリカではトランプ政権に呆れ果て、次の選挙戦まで待ちきれない人々がメディアにも大勢いるようで「次は誰?」と、噂せずにはいられないようです。そこでNYタイムズもこのような記事を書いたというわけなのです。まだ就任5カ月にもかかわらず…。
そもそも、実業家としてのトランプはそのような人物だったのか? おさらいしておきましょう。

総資産は一説には約4000億円前後と言われていましたが、先日公開され14億ドル、約1550億円とわかりました。
マンハッタンに有名なトランプタワーはじめ建物に自分の名前を付けまくり、テレビ番組に長きにわたり出演していたので知名度は抜群。ただし、実業家としては、カジノ経営に失敗したり、4回も破産したりと…決してエリートではありません。ビジネスのやり口も、決して「上品」ではなく、かなり強引といわれており評判はよろしくない。
そんな背景もあり、アメリカの実業界ではトランプに大統領が務まるなら…という声が湧き上がり“自薦他薦”含めて様々な名前が上がってくるのもうなずけるわけです。

今回、NYタイムズの記者が、次に大統領にふさわしいと噂される実業界の人物の周辺を直撃取材している記事の内容がこちら。
まずは…。

ハワード・シュルツ氏(63)。スターバックス前CEO。
推定の総資産額は30億ドル(3300億円)。
実は昨年の大統領選挙の際、民主党から立候補する直前まで行きましたが、ヒラリーには勝てないだろうということで断念した経緯があります。
スターバックスのCEOを引退後も、社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。もともと、かなり貧しいトラック運転手の家庭に生まれ苦労している。スターバックスは単なる「お店でコーヒーを出す」喫茶店という業態から「時間と空間」を売るというビジネスに発想を転換したとして有名なですが、そのコンセプトを発案した人として知られています。
ワシントンの政治事情に詳しい専門家も、シュルツ氏が打診を受けているのは確実だと語っている。
続いてはこの方…。

ロバート・アイガー氏、66歳。ウォルトディズニー社の会長兼CEO。
トランプ大統領の下で戦略政策フォーラムメンバーを、つい先日まで勤めていた。トランプのパリ協定離脱とともに辞職。
彼は、昨年雑誌のインタビューに「本当に多くの人に政界進出するよう勧められた」と語っている。そして同誌が3月、「アイガーが出馬についてブルームバーグに相談した」と報じたことで、さらに憶測を呼んでいます。(※ブルームバーグ氏は、NYの金融情報メディアの創業者で世界有数の大富豪で元NY市長)
出馬についてアイガー氏と話し合ったことがあるという人によると、ブルームバーグに相談したのは数年前の話であり、アイガー氏がニューヨーク市長に立候補する話がメインだったという。
2019年7月までディズニーとの契約延長を明らかにしているので、実際には???という感じか… 。
続いては、日本ではあまりなじみはないかもしれないがこんな人も…。

マーク・ベニオフ氏、52歳。セールスフォース.コムの最高経営責任者 。
一般の人には、馴染みが薄いかもしれませんがセールスフォース.コムは米フォーブス誌の「世界で最も革新的な企業」ランキングでは4年連続で第1位に選出されている会社。 クラウドコンピューティングを使ったソフトウエア提供を手掛けるB to Bビジネスで世界的に有名な企業。 この会社は毎年、顧客などを集めて数十万人規模のイベントを開催しているのですが2年前のイベントで「ベニオフに清き一票を!」とか「マーク・ベニオフ」を大統領に!」と書かれたバッジが配られていたそうです。

推定4400億円(40億ドル)の潤沢な資産に加え「クラウド革命」というベストセラーの本なども執筆しておりビジネス界の知名度は抜群。
社会貢献や慈善事業に積極的。従業員の就業時間の一部を慈善事業などに充てる運動を行っている。地味ながらダークホースという存在。
しかし、出馬に関してコメントを求められたベニオフ氏は「変化をもたらすには、ビジネスの世界がベストだ」と述べている。まだ、若いので、今後に期待という感じでしょうか?
続いては、皆さんご存知のあの会社から。

フェイスブックといえば創業者マーク・ザッカーバーグさん、33歳が有名です。彼の出馬の噂は常にあるものの実際の可能性はかなり低いといわれています。
その他に、フェイスブックから出馬が噂されてるのは、この女性。

シェリル・サンドバーグさん、47歳。フェイスブック社 最高執行責任者。
ハーバードビジネススクールを卒業後、世界的なコンサルティング会社、マッキンゼーで勤務。その後クリントン政権下で、サマーズ財務長官のスタッフとして働きます。その後グーグルでサービスの開発担当などを経て2007年にフェイスブックに副社長として入社。

当時のフェイスブック社は「アイデアはいいが、利益が出せなかった」。そんなフェイスブック社を世界有数の儲かる会社に変えたのが彼女だといわれています。雑誌「タイム」が選ぶ「世界で最も有力な100人」にも彼女は選ばれていて「政治」と「ビジネス」両面で実績を残している。その上、女性で若いとすべての要素を兼ね備えている。
おととし、不慮の事故で愛するご主人を亡くし、その苦難を画期的な手法で乗り切った。その経験を綴った本を最近出版し話題にもなっています。全米を講演活動して回っており、知名度も上昇中。多くの女性の共感を呼んでいます。もしヒラリー・クリントンが大統領になっていたら主要ポストについていた可能性も十分あった。本人は、今の現在のフェイスブック社の仕事が大変気に入っていて「大統領出馬を考えていない」と公言している。そして、トリはこの大物。

絶大な知名度を誇るオプラ・ウィンフリーさん、63歳。
実業家でもあり、大物テレビ司会者。30億ドル(3300億円)ともいわれる資産を持ち今までも何度も出馬が噂される人物。
今年3月に放映されたブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、ウィンフリーは「以前は、大統領になるには政治経験が必要だと思っていたけれど今は『あら、そうでもないのね』」と発言。

司会者が「アメリカの大統領に立候補するか?」と言いかけると、彼女は即座に「いいえ、それはないわ」と言い切った。
今度こそは…と思われながら現段階では本人は完全否定。
結局、今回紹介した人物は現段階では皆さん出馬を否定。
どちらかといえば、大統領に“なってほしい人”的な人気投票の域を出ないかもしれません。
ただし、「次はこの人」と名前がこれだけ上がるだけでも、どこかの国と違って羨ましい気がします…。
更に詳しく読みたい方は
https://courrier.jp/news/archives/87676/
(執筆:LUNCH TAG)