これまで、株やFXなど資産運用に対し「難しい」「怖い」というイメージを抱く人は多かったように思うが、プロに運用を任せる投資信託や国が発行し低リスクと言われる個人向け国債などの認知拡大によって、投資・投機に興味をもつ人が増えている印象。

そんな中、今年1月に新たにスタートしたのが「つみたてNISA」だ。

この言葉を耳にする機会も増え、挑戦してみようと考える人もいるかもしれないが、「つみたてNISA」がどういう仕組みなのか、きちんと説明できるだろうか?

そこで、ファイナンシャル・プランナーの荒木千秋さんにご協力いただき、「始める前に知っておくべき『つみたてNISA』のキホン」を教えてもらった。

「NISA」と「つみたてNISA」は別物?

まず、「つみたてNISA」について学ぶ前に、「NISA」という制度そのものについて解説してもらった。

「NISAは『少額投資非課税制度』のことで、『少額』で取引した、株式や投資信託などの『投資』の利益に対する税金が、『非課税』になる制度です。通常は、利益が出れば税金がかかりますが、NISA口座を利用して売買取引を行うと、売買益や配当金などに税金がかかりません。

2014年1月から、『投資による資産形成をより効率的に行えるように』との目的でスタートしたNISA制度は、『一般NISA』からスタートして未成年用の『ジュニアNISA』、『つみたてNISA』と、現在は3種類あります」(荒木さん、以下同)

「ジュニアNISA」はさておき、「一般NISA」と「つみたてNISA」の違いが気になる…。

それぞれの特徴を説明してもらいつつ、異なる点を挙げてもらった。

【一般NISA】

「一般NISAの口座を利用した取引は、年間の買付金額の上限は120万円まで、5年間投資できるので最大600万円まで非課税投資が可能です。自分のタイミングで、上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)に投資ができます」

【つみたてNISA】

「一方で、つみたてNISAは、名前の通り“積み立てながら”投資をする制度です。年間の買付金額の上限は40万円と、一般NISAに比べ少額に感じますが、20年間投資できるので最大800万円まで非課税投資ができます。また、一般NISAと大きく異なるのは“投資対象”です。

一般NISAは、株式や株式投資信託など幅広い投資対象に投資できるのが魅力ですが、つみたてNISAは、積み立ての長期運用に適したものとして一定の要件をみたす“投資信託とETFのみ”が投資の対象になっているのが特徴です」

どちらも、「非課税である」という点は共通だが、年間の買付金額の上限や非課税で投資できる期間、投資の対象は大きく異なる。一般NISAとつみたてNISAは、併用することができないため、それぞれの特徴と違いを知ることは、どちらの制度を選ぶか考えるうえで重要なポイントとなるので、ご注意を!

「つみたてNISA」のメリット・デメリットとは?


「つみたてNISA」がどんなサービスなのか、だんだんわかってきたところだと思うが、自分で始めるにはまだ不安も残る。最後に、メリット・デメリットを教えてもらった。

【メリット】

「やはり『利益が非課税になること』が、一番のメリットです。通常は、利益に対して20.315%が税金になります。たとえば、10万円利益が出ればおよそ2万円を税金として納めなくてはなりません。

しかしNISA口座を利用すれば税金分が手元に残るため、効率よく運用の成果を出すことが期待できます。

また、つみたてNISAは、決まったタイミングで自動的に金融商品を買い付けてくれるので手間がかからず、忙しい人にとっても利用しやすい制度になっています」

【デメリット】

「NISAは運用益がでなければ、メリットを享受することができません。加えて、利益が非課税として認められる期間(つみたてNISAの場合は、20年間)は決まっているので、その間に利益を出すことがポイントになります。

また、NISAに限らず投資全般に言えることですが、投資には常にリスクがあり、投資対象によっては、元本割れしてしまうこともあります」

このように、よい側面とそうでない側面があるが、「『リスクがあるのが怖い、危ない』と最初から敬遠するのではなく、仕組みを知り、きちんと知識を蓄えたうえで決断してもらえたら」と荒木さん。

「銀行口座に眠らせておくのはもったいない」「将来のため」「周囲の人間はみんなやっているから」など、つみたてNISAをはじめ、投資を始めるきっかけは様々あるだろう。

とはいえまずは、荒木さんが話すように「仕組みをきちんと知ること」が大切だ。



取材・文=明日陽樹/考務店
取材協力=荒木千秋
https://twitter.com/cyakokoko