世界のスタートアップ企業の最新テックシーンをお伝えする「ワールド・テック・リポート」。今回は、人工知能や画像解析をネットショッピングに活用するシンガポールの新鋭企業、「ViSENZE」のCEO・オリバー・タンさんとSkype中継。アジアのスタートアップに詳しい、TechinAsia日本編集長のピーター・ローゼンバーグさんの通訳と企業情報を交えつつお話を伺う。

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鈴木唯アナウンサー
今日紹介するのはシンガポールのどんな会社なんですか?

ピーター・ローゼンバーグ
「ViSENZE」(ヴィセンズ)という会社です。

ピーター
ヴィジョン(vision)とセンス(sense)を合わせて「ViSENZE」。AIや画像処理に強い会社で、eコマースなどのショッピングを画像検索でできるようにする技術を持っています。例えば、この素敵なTシャツが「ViSENZE」のデータベースに入っていて、FLAG7を見ている人が欲しいと思ってTシャツの画像をクリックすると…

ピーター
この辺にバブルみたいなものが出てきます。それをタップすると「Tech in Asia」の素敵なTシャツが購入できるわけです。

ジャーナリスト佐々木俊尚
同じ柄、同じデザインの服を探してくれるってことですね?

ピーター
そうです。最近、約10億円の資金を調達して、日本ではすでにユニクロや楽天といった企業が「ViSENZE」の画像検索を導入しています。

CEO オリバー・タンさんに聞く「ViSENZE」の技術

鈴木
「ViSENZE」のCEO、オリバー・タンさんに出張先のアメリカ・サンフランシスコからお話を伺っていきます。まず「ViSENZE」はどんなサービスを提供しているんでしょうか?

オリバー(ピーター通訳)
最近は、ファッションアイテムをはじめ腕時計や眼鏡、さらに商品パッケージなども画像で検索できるよう、研究に力を入れています。

佐々木
マシンラーニング(AIの機械学習)を使って画像を認識して検索する、そういう技術だという理解でいいんでしょうか?

オリバー
そうです。ニューラルネットワーク(人工神経回路)を使ったディープラーニング(深層学習)をやっています。社内では「コンピュータヴィジョン」と言っています。

佐々木
ディープラーニングを使った画像認識というとGoogleが非常に有名で、膨大な数の画像データから「猫」を認識できるようになった事が大きな話題になりましたが、Googleの技術と比べて「ViSENZE」社の優位性みたいなものはどこにあるんですか?

オリバー
「ViSENZE」のテクノロジーはeコマースでショッピングができることに特化しているのが特徴です。コンバージョン(成約率)を上げて収益化するための技術を開発してますので、その点がGoogleとは大きく違う所です。

画像でショッピングするメリット

佐々木
画像検索でモノを買う人って多いんですか?

オリバー
英語には「One Picture is worth a thousand words.(一枚の絵は千語に匹敵する)」という言葉があります。キーワード検索はちょっと面倒だし、入力しても自分が欲しいものがなかなか出てこないこともあります。だから自分が探しているモノのイメージで検索できれば、もっと簡単に商品を見つけることができるのではないでしょうか。

佐々木
今の話を伺っていると、InstagramとかPinterestと親和性が高そうですね。そういうビジネスチャンスはなにかあるんでしょうか?

オリバー
Pinterestは、すでにこういう画像検索の機能を持っています。「ViSENZE」は、楽天のようなeコマースのサイトで、お客さんにどうやって画像検索をさせるかという問題を解決しようとしています。

画像検索から文字情報も得られる

佐々木
新しい使い方もありそうですね。

オリバー
例えば、シンガポールでライオンのような魚のようなランドマークを見て、これは何だろうと写真に撮って検索すると「マーライオン」の情報を見つけるという使い方があります。

鈴木
テレビでは どんな活用方法がありますか?

オリバー
例えば、ビデオコンテンツに映ったいろんな商品に機械学習で自動的にタグを付けてクリックしたらeコマースのサイトに飛ばすことができます。テレビを見るというユーザー体験に影響を与えず、全てのビデオコンテンツがショッピング可能なものになることで、テレビ局もアフィリエイトで利益を得られます。
シンガポールは税金が低いので日本よりちょっと安くできると思います。


佐々木
投資はどうなっていますか?

オリバー
例えば日本の場合だったら楽天、シンガポールやアメリカでも信頼感の高い投資家が入っています。

佐々木
今後の日本市場の展開は、どう考えていますか?

オリバー
ソーシャルメディアはもちろん、フジテレビのようなテレビ局など、いろいろなところと連携ができればと思います。

鈴木
最後にFLAG7を見ている日本の人にメッセージをお願いします。

オリバー
この画像検索はすでに大きな人気を博していて、使えば使うほど自分のために役に立ちます。例えば、私は日本語が分からないので、新宿に行っても、何と言えば商品が探せるのか分かりません。そこで歩いている人の写真や、ネットショップの写真で検索すれば、キーワードが分かるので、もっと効率よくショッピングができるようになるんです。

ピーター
最後に僕から、買い物なら原宿も面白いよって言っておきました。じゃあグッドナイト!

(執筆: FLAG7)