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倉庫で眠っている在庫が、宝の山に。
コロナで大打撃を受けたアパレル業界の新たな光となるかもしれない。

丸の内にあるセレクトショップ「MUSEUM OF YOUR HISTORY」で、11月の下旬に行われていた店内のレイアウト変更。

目につくところに移動されたのは、この時期にはちょっと寒い薄手のシャツ。

店員「今までだと、こういう薄いものは下げておきましょうとなると思うんですけど、あえて、あらためてこういうのを見せるというのは、システムがあるおかげ」

フルカイテン・瀬川直寛代表「過剰在庫というのが“隠れた実力商品”と言っているが、ちゃんと販促さえしていれば売れる商品」

在庫の中から売れる商品を見つけ出す、新たなシステムとは。

このセレクトショップで行われたレイアウト変更。

11月だというのに、いったいなぜ、2カ月以上も前に発売した薄手のシャツを目立つところに配置したのか。

カイタックインターナショナル チームキットカンパニー・木村潤統括マネージャー「今までだと素材感を重視して、いったん店頭から下げたりということをしていたが、“データ上”売れている実績が出ているので、強気で前の方に出すという指示をしている」

この判断のもとになったのが、「FULL KAITEN」というサービス。

このサービスは、今抱えている在庫の中から、売り上げが期待できる商品を可視化するというもの。

仕組みはこう。

AIが商品ごとの販売データをもとに、在庫を「フル回転」、「過剰」、「不良」の3つに分類する。

完売が予測されるものは「フル回転」、ほぼ売れず売れ残ってしまうものを「不良」、そして真ん中にある「過剰」は、売れる実力はあるものの、このままだと売れ残ってしまう在庫となる。

この「過剰」にあたる商品を、店内のレイアウトなどで販売促進することで、アパレル業界で難しかった売り上げを作りながら、在庫を減らすことができるという仕組み。

フルカイテン・瀬川代表「持っている在庫のパフォーマンスを引き出すというのが本当に重要だと思っていて、今までそういう発想がなかったので、たくさん在庫を持って、その中から売れる商品が出てきて、これで売り上げと利益を作る。残った商品は値引きしてでも、どうにかして売り切っていくということをやらざるを得なかった」

値引きをせずに定価で売る商品を増やすことで、利益の増加と在庫の削減を両立させているこのサービス。

店舗を運営するカイタックインターナショナルでは、2020年9月に導入し、前年に比べ、売り上げをおよそ5%上げながら、在庫を10%減らすことができたという。

フルカイテン・瀬川代表「今のような在庫の持ち方をしていると、需要がグッと消失したときに、会社が経営破綻してしまうということがコロナでわかったじゃないですか。在庫ってそれくらい経営に大きなインパクトを及ぼす。持っている在庫のパフォーマンスを引き出すということに、もっと目を向けていくと、案外売り上げって作れるので、利益も稼げるので、そういうことをやるっていうのがこれからの常識になっていくと、市場が縮小していくような日本の市場でも、まだまだ太刀打ちできると思っている」