「家庭の情報を“よそ者”にさらしたくない」

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なぜか今、中国では「執事養成学校」が大ブームだという。

その理由の一つがドラマだ。中国で大人気となっているドラマ「ダウントン・アビー」は、伯爵家と使用人の愛憎を描いた物語で、日本ではNHKなどで放送されている。

執事養成学校に通う生徒のひとりは「家に仕えるには出しゃばらず、常に平静であることが求められる」ということをドラマで学んだという。また、成都アカデミーで執事の仕事を学んだ北京出身のシュウ・シタオ氏はこう言う。

「ドラマを見て、執事のプロの仕事がどういうものか少しわかりました。将来、この市場は大きくなり、執事はもっと人気の職業になると思います」

もうひとつが、中国の富裕層が海外に行く機会が多くなったこと。5つ星ホテルなどで海外の一流マナーに触れることが多くなり、「私たちもこうなりたい!!」と、執事の需要が急増。英国式の執事が家にいることが富裕層にとってある種のステータスになっているという。そのため、執事養成学校は中国各地に続々と建てられている。

さらに、中国ならではの理由として、「家庭の情報を“よそ者”にさらしたくない」という事情がある。入れ代わり立ち替わりのお手伝いさんをお願いするより、一人の執事を雇って、その人だけに任せることを好む富裕層が多いのだ。

「お金さえ払っていれば…」

実際、中国で執事の採用数は右肩上がり。そのうち、ほとんどが中国人女性だ。

2014年、南西部の成都には「中国国際バトラーアカデミー」が開校した。そこでは、6週間にわたり、ブートキャンプがおこなわれる。ディナー用食器の扱い方、家庭の管理、日常生活の些細なことへの対処法が盛り込まれている。上海の私立大学である杉逹学院でも、ホスピタリティプログラムに「執事養成トレーニング」を組み込んだ。

ただし、中国で富裕層のお抱え執事になるのはかなりの狭き門だ。月給30万円ほどが見込めるのでサービス業としては高給で、今や憧れの職業となっている。中国で富裕層の数は年々増え続けているため、そこに目をつけて一攫千金を狙う人は少なくない。

ただし、問題もある。

一代で富を築いた中国の富裕層の中には「お金さえ払っていれば、何でも言うことを聞いてくれる」と勘違いしている雇用主も多い。欧米のように、雇用主と執事が信頼関係を築ければ理想的だが、それにはまだまだ時間がかかりそうだ。

さらに詳しく知りたい方は、クーリエジャポンをご覧ください
https://courrier.jp/translation/80681/


(執筆: LUNCH TAG )