松浦茂樹(スマートニュース):
今日は「"I love you"を和訳すると?」みたいな感じで、言葉を扱うプロの作家たちは、どのような言葉で愛を表現したのか?という動画をお持ちしましたのでご覧ください。

文豪たちの"I love you"

元ネタ「I Love Youの訳し方」

松浦:
"I love you"を訳すと、夏目漱石の場合は「月が綺麗ですね」になったというエピソードもありますが、こんな感じで「#あなたがi_love_youを和訳すると」というハッシュタグがありまして「"I love you"あなたならどう訳す?」「どう表現する?」といったことが話題になり、今回はその動画お持ちしました。

これが春先にちょっとバズったんですが、実は元ネタとなった本があります。望月竜馬(著)、ジュリエット・スミス(絵)の「I Love Youの訳し方」です。

この本は、国内外100人の文豪が綴った100通りの"I love you"を集めたものですが、今日はこの本の中から、私が選んだものをいくつか紹介します。

松浦茂樹セレクション

あなた様なしには 私の今後の芸術は成り立ちませぬ
もし あなた様と芸術とが両立しなければ
私は喜んで芸術の方を捨ててしまいます

谷崎潤一郎『根津松子へ宛てた手紙』より

君に似し姿を街に見る時の
こころ踊りを
あわれと思え

石川啄木『一握の砂』より

思い出さないでほしいのです
思い出されるためには忘れられなければならないのが
いやなのです

寺山修司『思いださないで』(新書館)より

民さんと一緒に居れば
神様に抱かれて雲にでも乗って居る様だ

伊藤左千夫『野菊の墓』より

彼女は僕にとっての100パーセントの女の子なのだ。彼女の姿を目にした瞬間から僕の胸は不規則に震え、口の中は砂漠みたいにカラカラに乾いてしまう

村上春樹『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』(カンガルー日和/平凡社)より

ぼくはもう何度も、彼女を食べる夢を見た。あまり火を通さない、生焼けのうちがいい。彼女は従順で、肉になっても微笑を絶やさず、仔牛と野鳥の中間のような味がして、なんとも言えずいとおしい。彼女に対する情感が、煮詰められて、けっきょく食欲に収斂してしまうらしいのだ

安部公房『箱男』(新潮文庫)より

ウワキは嫌いじゃねえんだろう。
俺はこの前あんたと踊っててそう思ったんだ

石原慎太郎『狂った果実』(完全な遊戯/新潮文庫)より

あなたは私の中であの夜、永遠になりました

辻仁成『サヨナライツカ』(幻冬舎文庫)より

三浦瑠麗、松村未央セレクション

松浦:
2人は気になったのありましたか?

松村未央アナウンサー:
たぶん最初に見たからかも知れませんが、谷崎潤一郎が良かったです。

松浦:
三浦さんは?

三浦瑠麗:
私は安部公房ですね。すごい本当っぽい感じ。奥底が出てるし、ちゃんと表現できている。石川啄木も好きなんだけど、たぶん長く付き合うと「もうあなたの自己満足的な感傷はわかったから!」って感じで、面倒くさくなりそう。

松浦:
なるほど。

三浦:
だって石川啄木ってひどい男じゃないですか。名誉心の方が強くて、友達が出世したのを見て、自分は花を買ってきて妻と親しんだりして。妻っていうのは自分のプライドを慰めてくれるだけの存在なんですよ。啄木に関しては言いたいことがあるんですけど、だから安部公房がいいな。

松浦:
ここは素をさらけ出してくれる。ちょっと狂気的でも、狂気的なところすらさらけ出してくれる。

三浦:
その人の思った表現だから。別に食べられたいわけじゃなくてね。

松村:
安部公房が、一番印象には残りました。

松浦が"I love you"を訳したら

三浦:
ちょっと気になったこと、いいですか?松浦さんが"I love you"を訳すとどうなるんですか?

松浦:
えっ!それを振る?

三浦:
ちょっと聞きたいです。

松浦:
僕のご主人さまになってください、とか?

三浦:
それかわいい!本当っぽいですね!

松浦:
本当っぽいところを出してみました!以上です。



(執筆:FLAG7)