三浦瑠麗×東大生」と題して、東京大学についていろいろと紹介するコーナー。
今回は、東京大学新聞社所属の福岡龍一郎さん(経済学部経営学科3年・21歳)が東京大学新聞で取材したテーマについて、自身も東大出身で現在は東京大学で教員を務める三浦瑠麗さんと議論します。

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三浦
なぜ東大新聞社に入ったんですか?

福岡
高校生の時に少年ジャンプの編集長になりたいと思っていて、編集をやってみたいなと思って東大新聞に入りました。

三浦
1回目は、「ブラックラボとは何か?」という調査報道を紹介していただきましたが、今日はどんな記事ですか?

福岡
今回は東京大学における男子学生と女子学生の学生数の違いから生まれるある問題をご紹介しようと思います。

三浦
確かに女性少ないですよね。

福岡
昨年度における東大生の学部の男女比ですが、男子学生は11,383人、女子学生は2,664人と女子学生は圧倒的に低く全体の2割未満です。

福岡
このように女子学生の比率がとても低い中、3月に東大からある文書が発表されました。東大副学長から「学生団体の活動にあたって」という内容なんですが、文書のポイントは「ただ、残念なことに、学生団体の中には、本学学生が加入を希望しても、性別、国籍、年齢等により、入会資格等に制限を加えている団体も見受けられる」との報告があります。

東大新聞が注目したのはこの性別の部分です。なぜなら、東大には文書が指摘している通り性別で加入を制限しているサークルがある、もっといえば東大女子が入れないサークルがうまれてしまっている。

ということで、今回のテーマは「東大に存在する東大女子は入れないサークル」です。

三浦
もちろん私は東大女子なのでこのサークルの存在を知ってるんですけど、東大女子が入れないサークルっていうのは、大学1年で入ったときにそういう存在を知るじゃないですか?「これは問題だ」と思って取材したんですか?

福岡
私は問題だなというより違和感があって、たぶん何十年も前からあり続けたサークルのあり方だと思うんですけど、あまり議論されてきてないなと感じて記事にしようと思いました。

三浦
東大女子が入れない理由については取材する前にわかってました?

福岡
わかっていませんでした。東大女子の数が少ないことは一つの原因なんだろうなと思ってましたが、なんでわざわざ排除するのかなと。たとえば、東大には公式テニスのサークルが20以上存在するんですが、その中で東大女子が参加できるのは2つだけその2つ以外はいわゆるインカレサークルで男子は東京大学、女子は他大学の学生で構成されています。

福岡
ただ、それらのサークルは「東大女子は不可」と大々的に公言しているわけではなく、運営上メンバー間で「このサークルに東大女子は入らないよね」という認識が共有されていて、サークル外にまで広く浸透しているのが事実なんです。だから結果として東大女子が入れないサークルが生まれてしまってるんだと思います。私は1年生のオリエンテーションの時に、チラシにそういう表記のされ方をしていて「東大女子は入れないんだな」と知りました。

三浦
私も1年生の時に女子オリエンテーションっていうのがあるんですけど、そこでその存在を知りました。テニスサークルって人気なのでその中で東大女子が入るならこれとこれというのは当たり前。

東大女子を入れない理由

三浦
インカレサークルで東大女子を排除する理由を聞いてもいいですか?

福岡
正直学生に対しての細かいインタビューをしていないので推測の域を超えてないんですが、東大男子と他大学女子が仲良くなりたいと思っている同士だと思うので、それが一番合理的なシステムだと

三浦
合理的っていうのはすごくオブラートに包んでますけど(笑)、三浦流に下品に言い直すと、要は東大男子といういわゆる学歴エリートに対して、「私はそんなに勉強とかしてないけれども、家事・裁縫・育児は得意よ」みたいな売り出しでお嬢様大学の人がくるときに、男子も女子もそれを求めてるんだからニーズはあってるよねってそういうこと?

福岡
そうですね。すべてではないですけど、お見合い的な側面もあるとは思います。

三浦
私1999年入学なんです。理科1類だったので、50人クラスで2人しか女の子いなくて25分の1。ひどい状況なんですけど、ただ東大女子はしっかり売れていったわけですよ。人数が少ないっていうのもあるんですけど意外に成婚率が高いんですよ。東大女子なんだけど専業主婦になったパターンも意外にいて、成婚率も高いし専業主婦になる人ですらいるのに、なんでわざわざ他大学しか女子を入れないというのは気になる。他の理由がありそうな気がする

福岡
たとえばひとつの要素として東大女子が入れるテニスサークルには、男子の数が集まりすぎてしまうのでそこに男子のセレクションがあるんですね。

松村未央アナ
えーっ!

福岡
そこに入れなかった男子が、テニスはしたいからっていう理由でインカレサークルに流れているというのは、実際僕もそうなり得たので一方的に責めることはできないのかな。

三浦
実は東大女子に対して殺到するんですよ。そのサークルで男子はセレクションがあるってことは男女比率があまりに歪んでるから。ここで面白いのは「他大学の女の子じゃなきゃダメ」っていうルールを作ることによってなんとなくすみわけをしてるっていうか、そんなに学歴の差とか大学の差って大事なのかっていうくらいルールを作らなきゃいけないっていうのが、なんか秩序を維持したいんでしょうね。

東大生にアンケート

東大新聞がこの問題についてアンケートをとったところ、全体の80%が「問題はある」と回答。「問題ない」と答えたのが15%でした。それぞれの回答の理由も挙げられています。

三浦
「改善すべき」の一個目の理由「他大学の女子が入れる理由を正当化できる理由が見当たらないから」ってすごい東大っぽい。今から官僚になれそうな感じ(笑)

それから、「問題はない」の二個目の理由「安易に非難すべきではない。サークルの自由だと思う」というと思わずそうだなと言いそうになるけれども、サークルの自由を保持するっていっても、ここでは差別が問題になってるわけでしょ。そうすると能力主義はいいのかとか、性別じゃなくあなた黒人だからダメって言ったら基本的にアウトのはずで、何が差別の対象としていいのかっていうとよくわかんないですよね。だから論点ずらしなのかなって気もしますけどね。

福岡
三浦さんはこの内容についてどう思われますか?

三浦
私はインカレサークルに入りたがる男子学生っているだろうと思うし、セレクションに落ちちゃったらしょうがないかなと思うけど、そういう男子って興味ないかなっていうのがまずあって、私が東大の教員じゃない人間として聞いてくださいね(笑)

私あんまり大学行かなかったんですよ。最大の理由は男子がしつこくいじめるから。私は、湘南高校という普通の県立高校に行ってたんですけど、大体高校生くらいって若干男子のほうが精神年齢低いんですよね。そんな感じかと思って東大入った瞬間に男子の精神的成熟度が中学生くらいに落ちた感じがして「お~ちょっと待ってよ」みたいな感じだったんですね。

別にかっこいい見た目の人はいるけど、話を聞いてもらうことしか考えてなくて人の話を聞けない人が多すぎるとか、様々な人間関係上のスキルが欠落している人がすごく多くてちょっと問題だなと思ったんですよ。実は私が聞くところによると、インカレサークルの中では“東大男子”としていろいろ聞いてもらえる。「何やりたいんですか、将来の夢って?」とかいい気分になる。その中でダサい男と思われないように虚勢をはるっていう訓練しかできない。

福岡
東大男子にそういう傾向があるというのはどうしてなんでしょうか?

三浦
基本的に頑張って勉強しなくても入れるくらい頭のいい人もいるんですけど、頑張って勉強しないと入れない人が最近大半を占めていて、受験勉強の過熱によって、受験勉強に時間をさくと本も読んでないし困ったなって思ってるんですね。いろんな経験っていうのが人生で必要なんだけど、「東大生になれた子の大半は親のしつけと努力によって入ったものであって才能ではない」というのが私の認識。

福岡
自分自身に言われてることだと感じて何も言えないです…

三浦
そんなことないですよ。ここですごい立派にしゃべれているから、全然コミュニケーションスキルは問題ないです。むしろ私が思ったのは「なんでこのインカレサークルの文化って変わらないんだろうか」って考えたときにやっぱり女子の比率がね。なんで東大ってこんなに女子の比率が低いんですかね?

福岡
一つの意見としては、地方とかにおいては「わざわざ女の子が東大行かなくてもいいよ」という気運があるというのは聞きました。

三浦
教員も頑張んなきゃいけないのかな。でも、サークルを変えることよりも、適切ないい人材が評価されるっていう風土が必要で、ゼミでの評価でも就職活動でもそうだし、やっぱり競争社会なので競争した時にちゃんと正しい才能をもった人間が評価されるという状況が必要なので、入試も変えていかないといけないのかなと思います。

福岡さん今日どうでした?

福岡
三浦さんのキャラクターが思った以上に濃くて驚いています(笑)