気象庁は7月8日、ここ最近の日照時間が、北日本と東日本の太平洋側で平年より少なくなっていると発表した。

望月圭子気象予報士:
東京都心では、6月28日から7月7日までの日照時間が3.9時間。平年の同じ時期に比べ、11%しかありませんでした。

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そんな日照不足により、私たちの生活にはさまざまな影響が出ている。

キュウリは平年の2倍に…野菜価格高騰

40代主婦:
野菜の値段も上がるので、困ります。

東京・練馬にあるスーパー「アキダイ」関町本店で、農作物の値段を見てみると…

アキダイ・秋葉弘道社長:
夏野菜が全般的に高くなってしまっている状況ですね。

平年は1袋で 88円のオクラが、取材した7月9日は128円で販売されていた。

ナスは平年だと5本で150円だったのが、200円に高騰。

さらに、キュウリは平年で4本100円に対して、180円と倍近くに値上がりしていた。

なぜこのようにキュウリやナスが値上がりしているのか? 生産農家に聞いた。

すずしろ農園・渡戸章さん:
どのキュウリを見ても、少しずつみんなカーブしてるじゃないですか。これはね、日照不足なんです。

本来この時期に収穫されるキュウリやナスは、真っすぐ成長しているが、この夏収穫されたキュウリやナスは、日照不足で気温が低いために曲がってしまっているのだ。

すずしろ農園・渡戸章さん:
60年間(農業を)やってて初めてです。普通であれば、曲がったものはほとんどありませんよ。それが(今年は)いいものは6割、悪いのが4割。

真っすぐなキュウリの生産が減少したことで価格が高騰しているため、曲がったキュウリも出荷しているという。

また、取材したスーパーによると、今後も日照不足が続くと葉物野菜も値上がりする可能性があるという。

「洗濯物干せない」コインランドリーが活躍

日照不足の影響はこんな所にも。

40代主婦:
洗濯物が一番のストレスになりますね。なかなか乾かないです。

日照不足で利用者が増えているのが、コインランドリーだ。

TOSEI・須田雅太郎さん:
今年は長雨が続いているので、コインランドリー稼働率が高いです。(平年の)1.5倍くらい。

そこで、こんなシステムを導入。

利用者はお金を投入後、タッチパネルに自分の連絡先を登録。すると、洗濯や乾燥が終了する5分前に、登録した連絡先に通知がされるのだ。

男性客:
ひとつの目安にしやすいので、かなり便利だと思います。

ほぼ毎日、コインランドリーを利用するという客からも好評のようだ。

消費生活アドバイザーの和田由貴さんによると、短い晴れ間を利用して外干しする場合は、面積の広い洗濯物を外側に干すと早く乾くということだ。

気温低下で注意「のど風邪」対策は?

さらに、日照不足による影響は気温にも表れている。

7月9日の東京都心の最高気温は21.8℃と5月の上旬並みだった。
東京で最高気温が25℃を下回ったのは5日連続。7月としては記録的な冷夏となった1993以来、26年ぶりのことだ。

30代女性:
体調管理も難しくて、先日も子どもと私、2人とも風邪を引いてしまった。

都内の内科で話を聞いた。

ファミリークリニックひきふね・梅舟仰胤医師:
(受診者数は例年より)1~2割増しくらいですね。のど風邪が圧倒的に多いですね。夜中に窓を開けたまま寝るというのは、今の気温ではあまりおすすめできません。

お腹が冷えることで手足も冷えるため、タオルケットなどでお腹を覆うことが、風邪予防のポイントだという。

気象庁は、北日本と東日本の太平洋側で、この先2週間程度、日照時間が少なく気温の低い状態が続く見込みだとしている。

(「めざましテレビ」7月10日放送分より)