東京のシンボルとしてそびえ立つ東京タワー。
そんな東京タワーは去年の3月から塔体の塗装工事を行っていて今年の夏頃に工事は終了予定だという。
塗装は塔体の鉄骨を風雨等から保護するためのコーティングの役割があるため、定期的に古いものを剥離し、新しいものを塗り直すことで塔体の強度を維持する必要があり、開業以来5年に1度の周期で行っていて、今回で11回目になる。
このように定期的に行われる作業なのだが、その塗装現場を見上げたときに見える“人影”が、今話題になっている。
まずは塗装現場の写真を見て頂きたい。
一見、3人の作業員たちが高所で命がけの作業をしているように見える…
しかし、実はこれ、全てマネキンなのだ。
ただ、マネキンと侮るなかれ、手にはしっかりと刷毛が握られ、作業着には塗料が付いていて再現度のクオリティは高い。高さ50mほどの所に設置されているため、実際の作業員と見間違ってもおかしくない。
ちなみに、実際の塗装作業も東京タワーの上から下まで全て手作業で行うという。
なぜ塗装現場にマネキンを置くことにしたのか?東京タワーの広報担当者に聞いてみた。
塗装作業は営業時間中にはできない
ーーなぜ塗装現場にマネキンを設置したのか?
東京タワーの塗装は去年の3月から行っていて塗装期間が長いんです。
理由は塗装作業は営業中には作業ができず、営業が終わる午後11時から日が出る翌朝までが作業時間で、一般の方が作業をする姿を見ることが出来ない状態です。そのため足場が何のためにあるのか、作業員が何をしているのかを説明するためにマネキンを設置しました。
また、安全対策もしっかりしていますが作業員がしていることは命がけの作業であるということを分かってほしいと思い取り付けました。普段、危険な場所で塗装作業をしていただいてる作業員へのエールも込めてマネキンを設置しました。
ーー4月23日に設置した理由は?
設置した日付に特に理由はないですが東京タワーの塗装工事は塔の上から下へと行われます。足場も上から下へと移るにあたり、一般の人が見やすい高さに来たため4月23日に設置しました。
作業員も励みになっているようです
ーー作業員の反応は?
作業員の方と勤務時間がかぶらないため、直接の反応はありませんが、ネットの記事やツイッターの投稿を見ていただいているようで励みにしていただいているようです
ーー一般客からの反応は?
来て頂く人の全てが気づくわけではないですが「あれは何でしょうか?マネキンがあるけどなぜですか?」などの声を頂いています。マネキンに気づいて、作業員の方の仕事ぶりを知っていただくことが出来たので、企画をやって良かったと思います 。
このビックリするほどリアルな「塗装人形」。5月20日頃まで設置されているという。
次回以降の塗装工事は塗料の効能の向上により7年に1度の周期となるので、次回見ることが出来るのは7年後かもしれない。
60年たった今も、東京タワーが愛され続けているのは彼ら作業員の命がけの作業のおかげでもある。
近くを通りかかったら、ぜひ探してみてほしい。