アプリの総ダウンロード数は11億。世界初の自撮り特化型アプリ「BeautyPlus」や簡単にメイクを施せるアプリ「MakeupPlus」などが日本でも人気のMeitu。

CEOの呉欣鴻氏に、掲げているビジョンや「未来のスマホ」などについて話を聞いた。

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ビジョンは「女性がもっと美しくなる」

――美しく撮影できるアプリを開発したきっかけは何ですか?

もともと写真を撮るのが好きで、モデルを撮影していました。ただ、モデルさんたちはいつも「写真をもっと美しく修正してほしい」と言います。でも、自分はフォトショップを使えなかったんです(笑)

なので、アプリを開発すれば、女の子たちを修正できるし自分も楽になりますよね。それが2008年のことです。

――美図は、どんなビジョンを掲げていますか?

美のエコシステムを作り上げたいです。女性がもっと美しくなる、これがビジョンです。

未来のものはすべてAI(人工知能)がベースになります。AIを使って、もっと美とつなげたい。なので、世界中にオフィスを作っていきたいです。美を遠くの国で作る。日本みたいな美に関する感覚が高い国です。

――AIを使えばどんなことができると考えていますか?


『おすすめシステム』を作ることができます。まず、自分の顔の3Dの形を作ります。AIによって、この人はどんな髪やメガネが一番似合うか、もっと美しくなるかをおすすめします。

新しいAIを使って、服を変えるとどんなイメージで見られるのか写真で見ることができます。

個人に対する新しいデザイナーみたいな存在になって、どんなものがオススメでどんなものが似合うかを伝える。そのシステムは商品ともつながります。似合う商品をサービスとつなげて販売します。

――似合う商品の販売は、自社でやるのですか?

私たち自身でやろうと思っています。

我々の強みは3つあります。1番目は、ユーザーを3Dで捉えて、人の顔と肌の質を分析できる。2番目は、どんな髪の毛か、どんな肌か、肌の状態はどうかなどを知ったうえで、ユーザーにどんなものが似合うのかお勧めができる。3番目は写真を使って、いまどんなイメージか写真で見ることができる。

この3つの作業はAIがやります。これを私たちの核としてやっていきます。

――売り上げの9割がスマホ端末の売り上げで、ソフトウェア関連は1割と聞いています。これからどう変えていく予定ですか?

2016年はハードウェアが95%を占めていて、ソフトウェアの収入は決して良くありませんでした。ただ、今年のソフトウェアの売り上げは少しずつアップしている実感があります。

2018年と2019年は、さらにソフトウェアの売り上げがアップするようにと考えています。基本はソフトウェアの会社ですので。

――そのためにやることは何ですか?

マネタイズは、いま広告とeコマースをベースとしています。ユーザー数が増えて、新しい転換を図っていきたいです。

ただ、広告はやはり競争も激しいので、マネタイズは簡単ではありません。AIによって「新しいスタイル」を立ち上げたいと思っています。

――新しいスタイルとは具体的には何ですか?

現在はほとんどの会社が、同じブランドの広告を出しています。このスタイルはずっと前からやっている形です。AIを使えば、「どういう肌の人なので、より良い化粧品をお勧めする」ということが可能になります。

さらに、私たちは将来、「個人ブランド」を推し進めていきます。

ユーザーのニックネームなどの項目をAIで分析し、「自分のロゴ」を作ります。ユーザーひとりに、ひとつしかないロゴです。自分の写真を撮って、それを使ったロゴを作れる。

ひとりひとりが自分のブランドを持ち、AIを使って文字や写真のロゴを作って、個人のブランドになるんですね。「自分だけの帽子」や「自分だけの洋服」などができます。

いまの若い人は個性的なものが好きで、標準的なものを買うのはあまり好きではありません。

AIは、オーダーメイドで作れて、自分よりももっと自分を知っている。ヘアスタイルも服装も化粧もAIを使う。自分もびっくりするほど、「本当の自分」をプロデュースしてくれる。普通の買い物よりも、自分の価値観に影響するようなものを目指しています。

いまと全然違う感じで、新しい広告とeコマースの形を作っていくつもりです。

「知能のスマートフォン」

――セーラームーンとコラボしたスマホは、発売日に行列ができて、中国で大人気となりました。日本向けに端末販売しないのですか?

日本の運営と交流したことがあるんですが、日本のマーケットは標準よりハードルが高いんです。日本のマーケットに入るなら私たちの商品をもっとグレードアップしないといけない。いまはまだ理想的な状態になっていないんです。

なので、まずはアプリなどソフトウェアを日本で広げていきます。ハードウェアについても、早めに持っていきたいです。

――他のキャラクターとのコラボはどうですか?

ユーザーはドラえもん、ハローキティなど、日本のキャラクター好きな人が多いです。今でも、全国で知名度があるキャラクターとコラボを交渉しています。これから発表していきますね。

――セーラームーン人気のすごさを予想していた?

自分の予想を超えました。もちろんセーラームーンのことは前から知っていたんですが、子供の頃には見たことがなかったので(笑)

今回のコラボにより、他のキャラとコラボしていきたいという気持ちが強まりました。今回の影響は、すごくびっくりしましたし、これからセーラームーンの面白いキャンペーンをやっていきたいです。

――スマホの競争はますます激しくなると思います。どうやってライバルに勝つつもりですか?

スマートフォンは2007年の初代iPhone誕生から今年で10年です。これから10年はどんなスマホになるのだろうかと考えています。

「スマホの核」はAIになると思います。スマホはロボットみたいな感じで、手と足はないけど、「知能のスマートフォン」に変わっていくと思います。

「今のスマホ」だと成長する余地が少ないんですよね。これから新しい方向にもっていきたいと思っています。

――AIを使って、カメラ機能だけでなくスマホ全体を使いやすくしていくということですか?

スマートフォンに話しかけて反応が戻ってくる、音声認識のような話もそうです。

写真を撮るだけじゃなくて、もっとオススメをしてくれる。ロボットや自分のアシスタントみたいな感じです。

――日本に学ぶものは何かある?

日本はすごく美に関するものは世界でトップランナーにあります。アニメとかプリクラだけじゃなくて、化粧品など、いろんな領域ですばらしいものがある。

日本の会社に相談して、AIで診断する皮膚の研究所を作りたいと思っています。日本はそういう指導に関しては一流です。

医師が行なう普通の肌の診断よりもAIによる診断の方が上を行っています。なので、肌に関するもっと具体的なAIの活用を研究していきます。

――「未来のスマホは手足のないロボット」という表現がありましたが、10年後はどんなデバイスが主流になっていくと思いますか?
 
スマホは将来的にも必要なものです。いろんなハードウェアやクラウドにつながることができますし、コントロールの中心として使われます。

スマホの未来は、「接続機械」になります。携帯はテレビとつながったり眼鏡とつがなったり。

将来的にはもしかしたら、スマホをつかわずに眼鏡をつかってすべてをコントロールしているかもしれませんね。