散歩中の小型犬が蹴飛ばされ即死

事件は12月12日、多くの人が散歩する埼玉県川口市の河川敷で起きた。

近所に住む70代の男性が小型犬パピヨン(12歳メス)を散歩させていたところ、ランニングをしていた47歳の男が、突然パピヨンを蹴りあげた。

死んだパピヨン(12歳メス) 飼い主提供
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その後、男はそのまま現場から立ち去っていた。

飼い主の男性はパピヨンをすぐに病院に連れて行ったが、首の骨は骨折し、耳から血を流す状態で即死だった。

この場所は近所住民の憩いの場所となっていて、散歩する人やランニングする人、そして犬の散歩をする人など、多くの人が行き交う場所だった。

現場の河川敷

事件が起きた現場の目の前に住む住民は、その凶行を次のように語っている。

「自宅にいたところ、犬の異常な鳴き声が聞こえた。キャンキャンキャンと通常聞くような鳴き声ではなかった。この河川敷は多くの人が犬の散歩をしているので、たまにすれ違う犬同士で吠える声を聞くことはあるが、あの鳴き声は今まで聞いたことのないものだった」

現場となった河川敷には防犯カメラなどあまりない場所だったが、警察は目撃情報などから立ち去った男を特定、男は普段からこの河川敷周辺をランニングしている男だった。

警察はその後の捜査で男を動物愛護法違反の疑いで逮捕した。

目撃者が撮影した容疑者の男

「リードをつけろ」「わかりました」

男の逮捕後、被害にあった飼い主の男性が取材に応じ、当時の状況としてパピヨンにリードを付けていなかったことは「ルール違反の部分があった」と述べた上で、家族の一員として過ごしてきた愛犬を失った悲しみの胸の内を明かしてくれた。

飼い主:
殺された犬は小型犬のパピヨンで12歳のメスだった。私たちはパピヨンから名前を考え、「パピーちゃん」と名付けて呼んでいた。手のひらに乗るような小さい時から家族の一員になり、殺される日までずっと一緒に過ごしてきた。事件後、家族全員が落胆していて、犯人に対しては非常に許せない気持ちだ

--事件当時はどういう状況だった?

飼い主:

パピヨンは非常に利口な犬なので散歩の際に放していても遠くにいかないし、近くにいるような犬で、リードをしていなくても人に危害を加えるような犬ではないが、散歩をする際のルール的にはリードはしていないといけないのはわかっているのですが、あの時は放して散歩していた。そこに、ランニングしている男がやってきて「リードを付けろ」と言うので、「わかりました」と言ってリードを付けるために後ろを振り向いた途端に愛犬を蹴飛ばされた

私もリードを「付けないよ」と言ったわけではなく「わかったよ、リードを付けるよ」と言ったのにも関わらず蹴飛ばしてきた。

蹴った男はランニングをしてサッカーの練習をしているような人間で、靴も硬い靴でまともに蹴られて、愛犬は首の骨も折れて、即死状態だった

罰則強化後 埼玉県内で初の逮捕

2020年6月「動物愛護法違反」の罰則が強化された。

以前は愛護動物の殺傷の罰則は「2年以下の懲役か200万円以下の罰金」だったが、今回の改正法により「5年以下の懲役か500万円以下の罰金」に強化された。

これにより、これまでは主に器物損壊罪の「3年以下の懲役か30万円以下の罰金、もしくは科料」が適用されることが多かったが、より重い懲役刑を科せるようになり埼玉県警として改正後初めて、逮捕する事件となった。

警察の調べに対して男は「犬がぶつかってきただけ」などと述べ容疑を否認している。

執筆:フジテレビ報道局 社会部 河村忠徳