トランプ大統領の就任から丸5カ月となる20日、このタイミングでアメリカの有権者がいったい大統領をどう評価しているのかが、世論調査の数字とは別の形で明らかになる。アメリカ中が好奇の目を注ぎ、とりわけトランプ大統領は戦々恐々と見つめていることだろう。

直前の世論調査は大接戦 共和党が敗北する恐れアリ!?

視線が向けられている先は、ジョージア州の連邦下院選第6区。
この選挙区から選出されてきた共和党のトム・プライス下院議員がトランプ政権の保健福祉長官に就任するため議員辞職したのを受けて、20日に後任を選ぶ特別選挙の投開票が行われる。

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そして、状況は大接戦で、共和党候補が敗北する可能性が十分考えられる。
もしそうなったら、アメリカのメディアは、有権者がトランプ大統領に「ノー」を突きつけたと報じる。
選挙は正に、大統領の信任投票と位置付けられていると言っていい。

ちなみにトランプ大統領は、この選挙の4月の第1回投票の直前には、こんなツイートをした。

ジョージア第6区は裕福な白人が多く『絶対的共和党地盤』。約40年守り続けた議席がピンチ!

そもそもこのジョージア州第6区という選挙区は、共和党が勝って当たり前の選挙区。
1978年の選挙以降、共和党の候補者が勝ち続けてきた選挙区で、辞職したトム・プライス氏も2004年の選挙で当選して以来、去年11月の選挙で7連続当選を果たしている。初当選の時を除き、プライス氏の得票率は6割を割ったことはない。
その選挙区で共和党候補が負けるということは、イコール、トランプはダメ!という意思表示と受け取るのが自然だろう。

このジョージア州第6区は、アトランタの北に位置する郊外エリアで、人口構成は白人が70.8%、黒人とヒスパニックはそれぞれ13.4%と州の平均よりも白人が多い。世帯所得は年8万3千ドルで、州平均の5万1千ドル、米国平均の5万5千ドルを大きく上回っており、学歴も高い。

つまり、裕福な白人=属性の観点から共和党を支持して当たり前の人たちが多い選挙区だ。

リアルクリアポリティクスという政治ニュースサイトによると、6月に入ってからの様々な世論調査の平均支持率は、民主党補者(男)が49.6%で、共和党候補者(女)を約3ポイント上回っている。調査によってはタイという接戦だ。

共和党にとって絶対に負けられない戦い…史上稀にみる『金にものを言わせる選挙』の様相に

このまま民主党候補者が逃げ切ると、共和党はほぼ40年ぶりに議席を失う。
そんな事情も反映してか、選挙戦は連邦下院選としては史上稀に見る『金にものを言わせる』選挙戦になっている。
6月13日までに両陣営(党や外部の政治団体を含む)がテレビCМなど選挙戦につぎ込んだ額の合計は、4千万ドル(約44億円)。
たかだか人口70万人の選挙区に44億円をつぎ込んでいるのだ。
さらに、最後の1週間でこれでもかとお金が使われたことは想像に難くない。
審判が下るのは、日本時間の21日(水)昼前だ。

この勝敗の影響は尾を引く。
ジョージア州は南部の州なので、共和党が文句なしに強いように思われがちだが、去年の大統領選では、メディアによっては、投票の直前まで、トランプが勝つかクリントンが勝つか予測できない「接戦州」としていた。政治的地殻変動が起きているのかも。うかうかしていると、2020年大統領選で民主党候補者に持って行かれる可能性も考えられる。
つまり、トランプ大統領の再選戦略にも響いてくる訳で、トランプ好きも嫌いな人も、気になってしょうがない選挙なのだ。