日本の「第2の敗戦」とは?


12月7日の教育のキモのテーマは「シン・二ホン」。

今年大ヒットした映画『シン・ゴジラ』にちなんだテーマだが、いま日本は「ゴジラ来襲」並みの危機の中にある…と言われてピンと来る人はどれだけいるだろうか?

世界を情報産業革命の嵐が吹き荒れる中、「第2の敗戦」を喫したといわれるいまの日本が、この危機をどう乗り越えるのか?

AI、ビッグデータのスペシャリスト、ヤフーCSO(チーフストラテジーオフィサー)の安宅(あたか)和人さんにお話を伺った。

世界の企業の事業価値ランキングを見てほしい。


上位はすべて米中のICT関連企業が占め、日本はトヨタ自動車で31位だ。

情報産業革命、AIデータ戦争の中、日本はデータ量、人材ともに世界から圧倒的な差をつけられ、世界における日本のプレゼンスは「ほぼない」のが現状だ。

たとえばITエンジニアの数を見ると、日本は約100万人なのに比べ、米国は330万人と日本の3倍以上。さらに中国(200万人)、インド(180万人)にも負けている。

この現状について安宅さんは、こう述べる。

「いまの日本は163年前(黒船来航時)と同じ。日本は20世紀までの産業革命の最終フェーズには勝ったが、情報産業革命の到来を予知して頑張っていたのは米中だけで、日本は認識できなかった。日本はビハインドではなく、もう1回負けた、『敗戦した』と認識すべき」

「再起のチャンス」を狙え


そのうえで安宅さんは、「まだチャンスはある。日本は第1の波では敗戦したが、第2の波(データ、AIの二次利用)に備えるべき」だと強調する。

そのために必要なのは、人材の育成だ。

安宅さんはまず、データサイエンス教育の重要性を強調する。

「まず、日本は理系の学生が足りない。大学生に占める理系の割合は、日本では2割程度なのに比べて(1年あたり卒業生は約15万人)、技術立国を目指す韓国やドイツは6割で、しかも学生数は日本の2倍だ。
米国は理系が3割程度だが、ダブルメジャー(文系・理系の両方を専攻)が多い。米国のトップ大学、たとえばMIT(マサチューセッツ工科大)ならほぼ全員がデータサイエンス、コンピューターサイエンスを専攻しているし、スタンフォードでも6〜7割が専攻している」

データリテラシーを次世代の「教養」に


さらに安宅さんが、これからの人材に必要だと言うのは「教養」だ。

「教養というと、母国語はもちろん、世界語の英語、問題解決能力があるが、さらに『データリテラシー』が重要であるという認識がいまの日本には足りない。
世界ではあと5年もすると、学生が情報科学の技術を使って論文を書くようになる。
日本も理系文系を問わず、統計学などデータサイエンスを必修にしてデータリテラシーを上げるべきだ」

最後に安宅さんは、意外にも「感じる力」や「見る力」が、情報革命社会を生きる人間には重要だという。


「正解を求めるような仕事は今後AIがやってくれる。人間がこれからやることは見立てや、方向を定める、組織を率いることだ。学生は様々な体験をして、この力を磨くべきだ」

第二の敗戦を乗り越えるために「シン・ニホン」に求められるのは人材育成。
そのためにもデータ教育改革が急務だ。

ホウドウキョク×GOGO
教育のキモ「シン・ニホン」担当者生解説より