「職務専念義務」に違反する可能性・・・

大阪府の職員が上司の送別会を開くため、勤務時間中に職場のパソコンを使い、公用のメールアドレスで同僚らに参加の呼びかけなどを行っていたという。

吉村洋文大阪府知事;
長年勤めてきた部長の送別会をすること、したいという思い自体はわかるが、ただ一方で禁止されている公用メールを使い、やり取りするのはあってはならないこと。

吉村洋文大阪府知事
吉村洋文大阪府知事
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大阪府は、公用メールの私的利用を禁じていて、勤務中に送別会の準備を行ったことは、職務専念義務に違反する可能性があるとして、事実関係をくわしく調べるとともに、関係者の処分を検討している。

三田友梨佳キャスター
一般企業ではどうなのでしょうか。職務規定に詳しい田村勇人弁護士に話を聞いたところ、「多くの企業では社用メールの私的利用を禁止する社則がある。ただし判例では私用メールが職務専念義務違反になるのは業務に支障をきたすケースに限られる」としています。

職務時間中に送別会などの案内をするのは問題アリなのか、 街の人に聞いてみました。

「考え方遅れている」「民間よりは節制すべき」

講演講師(40代);
送別会込みで仕事だと思うので、処分検討は考え方が遅れているというか一昔前というか。今はそういうところではなくて、健全な職場にするためにもコミュニケーションを一つの仕事として考えるべきだと思います。

講演講師(40代)
講演講師(40代)

メーカー勤務(30代);
幹事をしている人は勤務時間中に(連絡等を)します。自分のチームの方が抜ける送別会なので、それは業務と全く関係ないということではないので。

メーカー勤務(30代)
メーカー勤務(30代)

建設関係(50代);
特には問題ないと思います。10~15分程度なら良いと思います。1時間やったらまずいかなと思うけど。

建設関係(50代)
建設関係(50代)

製造業(50代);
うちの会社では昼(休み)とか夜・定時後に送るように指示されています。送別会、歓迎会であっても、一応プライベートの飲み会の一種ですので。公務員は一般企業の社員より、縛りとかルールが厳しいと思いますので、そこは節制すべきかなとは思います。

製造業(50代)
製造業(50代)

必要ない禁止事項やルールで生産性ダウンも・・・

津田塾大学・萱野 稔人教授:
送別会のメールのやりとりに関しては、少なくとも仕事の一環と見なしてもいいのではないかと思います。公用メールを使ってはいけないとなると、私用の連絡先を聞かなくてはいけなくなり、これはプライベートと仕事を分けたいという傾向の中では、なかなか難しい。実質的には忘年会をやるなということに等しいので、柔軟に考えて良いと思います。

中でも私が特に心配しているのは、こういった厳格化によって仕事の効率化や生産性が下がってしまうではないかということ。コンプライアンスを徹底させることは今の時代求められていますが、必ずしも必要の無い禁止事項やルールが生産性を落とすこともあるので、柔軟に見直していくことも必要になると思います

(「Live News α」7月29日放送分)