銀行、生命保険、キャッシュレス、さらには携帯事業も
7月31日から神奈川・横浜市で開催されている、楽天のオフラインイベント「Rakuten Optimism 2019」。
この記事の画像(10枚)これは、床に張り巡らされたセンサーと動画を組み合わせることで、サッカー選手と一緒にパスの練習ができる「バーチャルサッカー」。
将来は5Gを使って、リアルタイムで遠隔地にいる選手と練習ができるようになるという。
会場では、3Dスキャンで作成した自分のアバターが、楽天のキャラクターと一緒に踊ってみたり、VRで近未来のサッカー観戦もできる。
完全キャッシュレスで日常生活のあらゆるサービスを体験
そして、楽天市場で購入できるショッピングやグルメのブースでは、食べ物を買う際も、QRコード決済やカード決済のみとなっていて、現金は一切使えない。
4月にプロ野球「東北楽天」の本拠地スタジアムでも行った、完全キャッシュレス決済を導入している。
楽天は、今回初めてこうしたサービスを一堂に集めたイベントを開催。
日常生活のあらゆるシーンでのサービスを体験してもらう試みとなっている。
楽天・三木谷浩史会長兼社長:
ショッピングであったり、トラベルであったり、あるいはカードであったり、こういう単体のサービスで勝負するのではなくて、総合的なさまざまなサービスを組み合わせることによって、より大きな付加価値をエンドユーザー、お客さまに提供していきたい。
1997年の創業以来、楽天市場を中心に70以上のサービスを展開してきた楽天。グループのサービスを2つ以上利用したことがあるユーザーは、70%に上るという。
会場を訪れた人:
使えば使うほどポイントがたまって、そのポイントで、また買い物ができるというのは、やっぱりお得感がある。
買い物や旅行、金融に加え、独自のポイントシステムと日常生活に関係が深いサービスがつながる「自社経済圏」が強みの楽天。
さまざまなサービスを知ってもらい、経済圏のさらなる拡大を狙う。
プラットフォーマーの競争から経済圏の競争へ
三田友梨佳キャスター:
楽天に限らず、ソフトバンクグループやアマゾン、LINEなども参加企業を増やして経済圏の構築を目指しているようですね。
経営コンサルタントの森田章氏:
プラットフォーマーの競争から、経済圏の競争に移ろうとする流れを感じますよね。
プラットフォーマーというのは利用者の数ではなく質、すなわちその人が誰かということを特定してその人にあった商品やサービスをいかに提供するのか、これが勝負を分けるようになってきているんです。
その際、鍵となるのが、人の接点となるモバイル、そして金を司る決済、さらにモノを司る物流の3つになる。プラットフォーマーがこれらを獲得しようとする争いが経済圏の競争ということになります。
例えば、自社でモバイルを持つことで誰かを特定できて、決済のアプリから情報を得ることができれば、その人が信用できる人なのかどうかがわかる。そうなると他社よりも有利な条件で貸し付けをできたり、その人にあった金融サービスをお勧めできる。
さらには物流を手に入れることができれば、eコマースだけではなくて、リアル店舗と連携したネットスーパーのようなもので配送もできるということですね。
三田友梨佳キャスター:
経済圏の構築をめぐっては、今後どのような形で競うことになりそうですか?
森田章氏:
プラットフォーマーによる強み、弱みがあるが、その中でまずは足りない部分を獲得していこうということになる。一方で、それが一巡すれば経済圏同士が弱みと強みを補完するような提携に進んでいくのではないかと思います。
(「Live News α」7月31日放送分)