元交際相手の首を包丁で複数回刺し殺害

10月1日、顔を隠すことなく前を見据え、警察署を出て行く男。
男は元交際相手の女性の首を包丁で刺し、現行犯で逮捕された会社員の水元義人容疑者(35)。

埼玉・越谷警察署を出る水元義人容疑者  10月1日
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その後、さいたま地検は殺人などの罪で水元容疑者を起訴した。

起訴状によると、水元被告は持っていた包丁で元交際相手の石沢里美さん(23)の首を複数回刺すなどして、出血性ショックにより死亡させたとしている。

殺害された石沢里美さん(23)

右手に包丁、左手で女性を抱きかかえ…

事件の目撃者はその異様な光景をこう語っている。

「女性の首辺りからは大量に血があふれていたが、男は右手に包丁を持って、左手で女性を抱きかかえるように支えていた。その姿はまるで2人が恋人同士のような光景だった」

また、別の目撃者は、「(水元被告が)白いタオル地のハンカチみたいなのを女性の顔にかけていて、そのタオルがずれないように左手で押さえているような状態だった。無表情で全く慌てる様子もないし、他に誰かに助けを求めているわけでもなく、ずれないように左手で押さえている感じで。もしかしたら自分だけの彼女でいて欲しいというか、人には見せたくないというかそういった気持ちだったのかなと思ったりもした」と語った。

水元被告の自宅に残されたもの

水元被告は12歳年下の石沢さんとの関係について、「2019年9月から2020年7月まで交際していた」と供述している。

警察は事件後、水元被告の自宅を捜索し殺害の動機に繋がるものなどを調べた。

水元被告の自宅玄関

関係者によると、水元被告の室内には飲みかけの焼酎ボトルなどが置いてあり、水元被告が事件直前まで誰かと飲食を共にしていた形跡が残っていたという。

水元被告の自宅室内

また、水元被告の室内からは、殺害した石沢さんとの思い出の写真や、ボウリングのスコア表などもみつかった。

写真には2人の仲睦まじい姿が写っていた。

水元被告の自宅にあった石沢さんとの写真

そしてボウリングのスコア表には今年7月15日の日付で、水元被告の名前である「ヨシト」と石沢さんの名前である「サトミ」と記載されていた。

2人が7月に行ったボウリングのスコア表

「運命の人」と親族に話す      

水元被告は、なぜ元交際相手の石沢さんを殺害したのか。

水元被告が警察に対して、「去年9月から今年7月まで交際していた」と供述していることや、自宅に残されていたボウリングのスコア表の日付が7月15日ということからも、少なくともこの時期までは交際関係にあったとみられるが、約2カ月後には殺人事件を起こしている。

その動機に関わる部分について水元被告の親族が次のように語った。
「(水元被告は)2回結婚していて、事件当時別居はしていたものの、2人目の妻と籍は抜けていない状況の中で石沢さんと交際をしていた。石沢さんも(水元被告に)妻や子供がいたことは知っていたはず。水元被告は事件前、石沢さんについて、運命の人と話していたが、きちんと婚姻関係の整理ができていない中で、そんな2人の交際がうまくいくはずがない。その関係も石沢さんから別れを告げられる形で終わりを迎えた」

殺害した石沢さんを親族に対して「運命の人」と打ち明けていた水元被告。

しかし、その関係も石沢さんから別れを告げられる形で終わっていた。

水元被告の自宅にあった石沢さんとの写真

「一瞬の形でしかなかったから(殺害は)覚えていない」 

事件後、水元被告と警察署で面会した複数の関係者によると、水元被告は石沢さんを殺害した動機について「本当に一瞬の形でしかなかったから自分も(なぜ殺害したのか)覚えてない」と話した一方で、「自分がやったことなので弁護士はつけない」とも話したという。

警察の調べに「彼女を殺して自分も死のうと思った」と供述していた水元被告。

12歳年下の女性を「運命の人」と言っていたあまりにも身勝手な男が、今後行われる裁判で何を語るのかが注目される。

執筆:埼玉県警担当 河村忠徳