日本では心臓突然死が年間7万人強。毎日200人がなくなっている。

一方、心停止で倒れた人のうち、社会復帰できる人はその1割に満たない9%。

先進国の平均は10%なので、日本は「健康大国」であるにもかかわらず、救命率は世界標準を下回る。

心停止は1分間で10%、生存率が下がると言われている。

つまり10分間何もせずに放置すれば、生存率はほぼゼロとなるのだ。

しかし、東京都内の救急車の到着時間は平均10.8分と、救急車を待っているだけではまず生存は難しい。

では周りにいた人が心停止で倒れたとき、私たちは何をすればいいか。

・まず大声で周囲の人に協力を求める
・119番通報する
・AEDを持ってくる
・CPR(心肺蘇生法)を行う


これらのことは、周囲の助けがあれば行うことが可能だが、1人では難しい。

そんなときこそ活用できる次世代救命アプリが、「Coaido(コエイド)119」だ。

このアプリを作ったのは、ソーシャルベンチャーの「Coaido」。

Coaidoでは、心停止で多くの人が命を失っている現状を変えるため、救命アプリの開発を行っている。

「AEDは近くにあるものを探すのに10分近くかかると言われています。もし倒れた人を10分間放置すれば生存率はほぼゼロになります。まず近くにいる救命知識を持った誰かに、SOSをこのアプリでおくる。AEDを探す間に心肺蘇生を行うことができれば、救命率は上がります」(Coaido玄正慎CEO)

「Coaido119」を起動してSOSを発信すると、このアプリに登録している救命講習受講者、医療資格者などのうち、現場近くにいる人に救急現場の位置情報や映像や音声を伝え、チャットでのコミュニケーションもできる。

それと同時に119番通報もすることができ、これまで通り電話で消防に救急車の要請もできる。

さらに、AEDを設置している建物の担当者の固定電話にも、自動音声コールする。

つまりこのアプリを作動させれば、上述のすべての行動を1人で同時に行うことが可能になるのだ。

Coaidoは豊島区と連携して今月から半年間、池袋駅周辺(半径1キロ以内)でアプリの実証実験を行う。

豊島区は人口密度日本一で、池袋駅では1日当たり約260万人が乗り降りする。

一方、区内の重症発生件数は、年間約500人に上る。

救命率が0%となる25階以上の高層マンション(カナダ研究グループ調べ)も多い。

今週行われた説明会では、地域の関係者、事業所など約80人が集まった。

豊島区危機管理監の今浦勇紀氏は、アプリの効果に期待を寄せる。

豊島区危機管理監・今浦勇紀氏

「豊島区ではAEDマップをウェッブサイトで公開していますが、知っている人はどれだけいるのかと問題意識がありました。AEDの使用率を上げるために、このアプリを実験し、活用可能だと証明できることを期待しています」

いま救命率世界一の都市はアメリカ・シアトルだ。

救急車は4分以内に到着し、救命率は30~40%と日本の3~4倍となっている。

「緊急情報の共有ができれば、池袋がシアトルを超える救命率も夢ではありません」(玄正氏)

次世代の「コード・ブルー」アプリが、救命率のアップに力を発揮する。

ICTの技術革命と若きベンチャースピリットが、多くの人命を救う日は近い。