11月30日、55歳の誕生日を迎えた秋篠宮さまは、20日、記者団の質問に答え、新型コロナウイルスが猛威を振るったこの1年を振り返るとともに、長女・眞子さまのご結婚に対する考えを述べられた。

「立皇嗣の礼」を終え安堵

-問1  「立皇嗣の礼」が11月8日に執り行われた。新型コロナウイルスの感染拡大で,儀式の日程や内容は大きな影響を受けたが,諸儀式に臨まれた感想とともに,改めて皇位継承順1位の皇嗣となったお心構えを。

秋篠宮さま:
11月8日に立皇嗣の礼が行われました。本来は春に行われる予定だったわけですけれども,COVID-19の感染が拡大し,それで延期になっていたわけですね。

私自身,この秋に,11月に行うという時に,これから寒い時期に向かって,COVIDとインフルエンザの両方の流行が考えられるときに少しそのことは気にはなっていましたけれども,これ自体は国事行為でありますので,私が何か言うことではもちろんないわけですね。それですので決められたことに従って臨みました。

そうですね,昨年から行われていた即位礼関連の儀式,これが一連のものが終了したわけでありますけれども,そのことに安堵(あんど)しております。

立皇嗣の礼 11月8日
立皇嗣の礼 11月8日
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今,御質問にあったもう一つのことについてですけれども,私自身は生まれてから今まで個体として同じ秋篠宮文仁なわけですね,それでずっと来ています。したがって,何か区切り,節目があったから変わるということではないわけですけれども,私自身は以前と変わらず一つ一つのことを大切に務めていきたいと思っております。

そしてまたこれも昨年もお話ししたことかと思いますけれども,やはり人間はできることなら進歩していくことが大切だと思っておりますので,そのことも常に頭に置きながら過ごしていきたいと思っております。

一つだけ今回,宣明の儀の後に宮中三殿にお参りをいたしました。今後は三殿でお参りをすることになるわけですけれども,私にとって今回が多分4回目なんですね。着袴の儀があった後と,成人の時と結婚の時で(今回は)4回目なわけですけれども,今後こちらでお参りすることになるのだなということで気持ちを新たに致しました。以上です。

立皇嗣の礼 11月8日
立皇嗣の礼 11月8日

オンラインを積極的に活用されたことについて

--問2 新型コロナウイルスの感染拡大により,皇室関連行事も延期や中止を余儀なくされ,人々と直接触れ合う機会が減少した。一方で,ご一家ではオンラインを積極的に活用し,専門家による御進講や,国民との交流を続けられた。オンラインを活用して感じた手応えと課題についてお聞かせを。また,このような時代において,皇室が果たしうる役割や活動のあり方についての考えを。

秋篠宮さま:
そうですね。このコロナ禍において,私の生活も今までとは大きく変わりました。
今までであれば何か式典があったりとかするときには,もちろん東京都内もありますし,それからほかの県で行われればそこに赴き,そしてその式典ないし主たる行事以外にもその地域に関連する所を訪ねていろいろと見聞する機会がありました。

しかしながら,このように感染症が多くなっている時期には,人が特に多く集まるような催物というのはできません。そうするとやはり,まず考えられることというのはオンラインになるわけですね。

例えばある催物が現地で行われないときもありますし,それから規模を縮小して行われることもあります。そういうときに行く予定であったものについてやはりどういったものかという話を聞いておくというのは大切なことだと思います。そういうときに現地とつないで,画面上ではありますけれども説明を聞くことが幾度かありました。

全国高校総合文化祭の生徒実行委員らとオンラインで懇談するご夫妻 8月19日撮影 
全国高校総合文化祭の生徒実行委員らとオンラインで懇談するご夫妻 8月19日撮影 

また,このCOVID-19について,私,それから私の家族も理解を深める必要があると感じていましたので,これも関係者は東京都内でないこともありますので,そういう人たちから度々にオンラインで話を聞きました。

ある意味,非常にこういうときにあって有効な手段だと思いますし,何といっても顔が見えて電話と違ってですね,顔が見えてそれでお互いにやり取りをすることができるというのは,非常に便利であると考えます。

しかし一方で,対面で話すのとは少し違う,どこかに大きなタイムラグというわけではないのですけれども,ちょっとした時のやり取りに難しさを感じることはあります。またある程度の,例えばシンポジウムのようなものの場合に,まだオンラインだけならいいかもしれないんですが,今後はおそらく対面というかリアルなものとオンラインとの両方をハイブリッドで行うということが結構多くなってくるのではないかなと思うんですね。

私も僅かな経験ですけれども,自分はWEB上で参加していたわけなんですけれども,やはりその時に実際の会場にいる人たちと,それから画面で参加している人間とで,ちょっとした温度差があるなと。

そういう辺り,今後工夫の余地が多分あるのではないかと思いますし,もちろん使っているシステムによって使い勝手が違うとか,ただ段々に私たちもそういうことに慣れていくのではないかと思っています。

秋篠宮ご一家 11月14日撮影 
秋篠宮ご一家 11月14日撮影 

記者:
皇室が果たし得る役割や活動の在り方についてはどのようにお考えか。

秋篠宮さま:
そうですね。こういう今のような時代,これはまたこれからも起こり得ることかと思います。
こういう時代にあって,なかなかその役割とか在り方というのは難しいわけですけれども,以前,自然災害のあった場所を訪ねたりとか,そして現地の様子を見て被災した人から話を聞いてということを,時折そういう機会がありましたけれども,今回みたいなときはそういうわけにはなかなかいきません。

そうすると,やはりその役割としては今の現状で非常に困難な状況にある人,そしてその人たちを支援している人たち,そのことをできる限り理解することに努め,そして心を寄せていくことではないかなと思います。

そしてまた,在り方についてですが,やはりその状況その状況に応じた対応というものが必要になってくるのではないかと思います。ですからその時々に合わせて何をすることができるかということを常に考えていくということが大事なように思います。

「結婚することを認めるということです」

--問3 眞子さまと小室圭さんとのご結婚に関する行事が延期されている。眞子さまは13日に発表された文書で,「結婚は,私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」と現在のお気持ちを明らかにされた。皇嗣職大夫は会見で,両殿下が「お2人のお気持ちを尊重された」と説明したが,「お気持ちを尊重」とは具体的にどういうことなのか,今後のスケジュールや見通しと共にお聞かせを。殿下が以前記者会見で指摘された「多くの人が納得し喜んでくれる状況」になったと受け止められているかについてもあわせてお聞かせを。

秋篠宮さま:
娘の結婚について,つい先日,一週間ほど前になりますけれども,長女が今の自分たちの気持ちというものを文書で公表いたしました。皇嗣職大夫の,気持ちを尊重するということでしたね。

記者:
はい。

秋篠宮さま:
それは結婚することを認めるということです。
これは憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります。本人たちが本当にそういう気持ちであれば,親としてはそれを尊重するべきものだというふうに考えています。今後の見通しでしたか。 

記者:
はい。

秋篠宮さま:
予定ですね。

記者:
はい。

29歳の誕生日を迎えられた眞子さま 10月6日撮影 
29歳の誕生日を迎えられた眞子さま 10月6日撮影 

秋篠宮さま:
今回はあくまでも2年前に2020年に延期をするということをお伝えしたことに関わるものです。つまり,一連の行事が終わった2020年というのは今年であり,今年は間もなく終わろうとしています。やはりその間に何らかのことを伝える必要があると本人も考えておりましたし,私もそのように思っておりました。そのようなことから現在の気持ちというものを公表したわけです。

ですから,今後の予定,見通しなどについてはこれから追って考えていくということになると思います。それからもう一つありましたね。

記者:
殿下が以前記者会見で指摘された「多くの人が納得し喜んでくれる状況」となったと受け止められていらっしゃいますかどうか。

秋篠宮さま:
私が多くの人に納得し喜んでもらえるというお話をしたわけですけれども,実のところ多くの人というのを具体的に表すことはなかなか難しいと思います。

長女の結婚について反対する人もいますし,賛成する人もいますし,全く関心の無い人もいるでしょう。どれをもって多くというふうに客観的に言うことができるかというとなかなかそれは難しいわけですけれども,あくまで私の主観になりますけれども,感じとしては決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではないというふうに思っています。
で,そのことは娘も恐らく同じ気持ちを持っていると考えております。以上です。

眞子さま 2019年9月撮影
眞子さま 2019年9月撮影

記者:
ありがとうございます。

秋篠宮さま会見動画【全編ノーカット】

FNN
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