LGBTが周囲にいないから理解できない、という大人に会うと、私はこんな風に尋ねます。

「では、あなたの子ども(孫)がLGBTだったら?」

日本の、特に中高年世代が持つLGBTへの差別や偏見は、主に昔ながらの誤った知識に基づくと考えられます。若い世代が、ゲイと女装とトランスジェンダーを全部一緒にして「オネエ」と呼ぶのも知識の無さの表れでしょう。だから罪の意識も無い。

つまり大切なのは、子どもの頃からLGBTについてきちんと教えることです。その取り組みは、日本においてはまだまだこれから(企業がようやく動き出したところですから)。

NPO法人ReBitはLGBTを含めた全ての子どもが、ありのままの自分で大人になれる社会を目指して活動しています。代表理事の薬師さんにお話をうかがいました。

「LGBTは約13人に1人いると言われています。40人のクラスなら3人だと考えられます。実はLGBTの子どもは自死におけるハイリスク層なんです。トランスジェンダーの約6割は自死を考えたというデータもあります。最初のピークは小学校高学年から高校生の第二次性徴期。だからこそ、その時期に正しい情報があることや、相談できる人がいることがとても大切です」(薬師さん)

ReBitではLGBTの若者が小学校から大学、教育委員会等に出かけて講演など行ってきましたが、先ごろ中学校の先生向けの教材キットを作成しました。中身は授業で使えるDVDや冊子、プリントなど12種類(サイトで無料DLもできる)。
http://rebitlgbt.org/project/kyozai

「まずは先生に知ってもらうこと。LGBTの人が講師となり学校でお話することも大事ですが、私たちは明日もその学校に行けるわけではない。毎日学校で子どもたちに寄り添う先生が、LGBTの子どもに対しても『ここは安心な場所なんだよ』というメッセージとともに、正しい情報を伝えてくださればと思います」(薬師さん)

ReBit作成の教材に15分の動画があります。多様な性についてとてもわかりやすく描かれていて、子どもはもちろん大人にも見ていただき、LGBTへの理解を深めてほしいと思います。