イギリス・マンチェスターのコンサート会場で発生した爆弾テロについて、過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出しました。

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次のように記されています。

「神の恩恵とお支えを得て、イギリスの街(マンチェスター)において、カリフ国の兵士のひとりが十字軍兵士たちの集団の中心部に爆弾をしかけることに成功した。これは神の宗教のための復讐であり、多神教徒たちを恐怖におののかせるためであり、イスラム教徒たちの土地における彼らの罪への報復である。爆弾は恥知らずな祝宴のための建物(アリーナ)で爆発し、約30人の十字軍兵士を殺害、約70人を負傷させた。神のお許しのもとに、十字架の信奉者たちとその同盟者たちに次におこることは、より苛烈で、より甚大な被害を与えるものとなるだろう。全ての祝福は創造主たる神に属する。」

声明の内容からは、今回のテロが計画的なものであることがうかがえます。

実は、爆発の直後からイスラム国支持者らの間で出回っているビデオがあります。

覆面をした男が神を祝福し、「イスラム国のライオンが全ての十字軍兵士たちへの攻撃を開始する」と述べ・・・

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その後、「神は偉大なり!」と繰り返し言いながら、「manchester 2017-05-22」と書かれた紙を掲げます。

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このビデオにうつっているのが実行者や協力者のものなのか、またこれが犯行予告なのかどうかについては、まだはっきりしていません。

(ちなみ、日付の下にはアラビア語で「神は偉大なり」とあります。このアラビア文字の書き慣れていないっぷり、メッセージに含まれるアラビア語単語の発音の下手っぷりからは、当人がアラブ人ではないか、アラブ系だとしても欧米生まれであることがうかがえます。)

今回の声明の最後にある「次はより苛烈なものになる」というフレーズは、イスラム国が大規模テロを成し遂げた後に出す声明文でよく使われるものです。

ですが、今回に限っては、これを単なる常套句として見逃してはなりません。

というのも、今週末(27日頃)からラマダンが始まるからです。

ラマダンというのは、イスラム教徒が日の出から日没まで飲食を断つ月のことですが、イスラム教徒が信仰心を高揚させ、「いいこと(善行)をしよう!」と励む月でもあります。

イスラム国やアルカイダのような「イスラム過激派」にとって、最高の「善行」はテロです。

例年、イスラム国やアルカイダはラマダン前になると、「ラマダンの間にたくさんテロしよう!」という呼びかけを熱心に行っており、今年ももちろんその例外ではありません。既にイスラム国の外国人戦闘員やビンラディンの息子が、欧米での攻撃を実行しようと促すビデオを出しています。

昨年のラマダン期間も世界中でたくさんのテロ事件が発生し、7月1日にバングラデシュで発生したテロでは日本人7人が犠牲になりました。

今年のラマダン期間中も、世界のどこかでイスラム過激派によるテロが発生する可能性は否定できません。


(執筆:Iiyama Akari)