世界的にも日本の独壇場

日本人の3人に1人は、がんが原因で亡くなっています。

しかし早期発見すれば、根治出来ることも少なくありません。ステージ1で発見された場合の「5年後(相対)生存率」を見ると、胃がん97.0%、大腸がん98.7%となっています。

胃カメラ(上部消化管内視鏡)や大腸内視鏡検査であれば、超早期のがんや小さなポリープも発見可能です。
しかも、日本の消化管内視鏡の技術は世界のトップレベルなんです!精密な内視鏡検査は、世界的にも日本の独壇場と言ってもよく、日本の内視鏡医が世界各国で講演や実技指導を行っています。

胃カメラで「胃がん」と「食道がん」を早期発見!

胃カメラは、内視鏡を口または鼻から胃の中に入れ、先端についている超小型のカメラで、胃の中の様子を直接モニター画面に表示させ観察します。
主に胃がん食道がんを見つけるために行います。

日本人が罹患する胃がんの98%は、ピロリ菌感染によるものですが、その感染の有無も胃カメラでわかります。

“苦しくない”胃カメラもあるが…

ただ胃カメラというと、何かとても「辛い検査」というイメージがあります。なぜ胃カメラが苦しいのかというと、人間には生理的な「嘔吐反射」があるからです。

最近は、鼻から入れる胃カメラ=経鼻カメラもあります。経鼻カメラでは、嘔吐反射が起きません。その分、苦痛は軽減されるということになります。
ただし、機能的には口からの胃カメラ=経口カメラの方が優れています(胃カメラで精密検査を行う場合は、必ず経口カメラを使用します)。ですから、可能なら経口カメラでの検査がお薦めです。

力を抜いて、リラックスして検査を受けましょう。眼は開けていた方がいいでしょう。閉じると、全神経がカメラの動きに集中してしまいがちです。

また、麻酔をかけて完全に眠った状態で検査を受けられる施設もあります。鎮静剤によるリスク(呼吸抑制など)もあるので、必ずしも推奨するわけではありませんが、どうしても不安が強い場合は、そうした施設を選ぶのもよいでしょう。 

「苦しくない」=「名医」ではない!

検査を受ける側からすると、「あの医師の胃カメラは苦しくない」=「あの医師は腕が良い」と思いがちです。しかし、胃カメラで重要なのは「苦しくないこと」ではなく、「腫瘍を見つけること」です。

実は「苦しくない」「痛くない」からと言って、その医師の「診断能力」が高い訳ではないのです。モニターに映る画像から、ごく初期の腫瘍も見逃さない優れた「診断能力」と、胃カメラの「挿入技術」とは、必ずしも相関しません。

検査を行う場合は少なくとも、消化器内視鏡専門医や治療内視鏡も行っている医師に担当してもらうのがいいでしょう。

肛門からCCDカメラを挿入

大腸内視鏡検査とは、肛門から内視鏡(先端にCCDカメラがついた細いチューブ)を挿入して、大腸全体を観察する検査です。調べられる範囲は、直腸から盲腸に至る大腸全体で、大腸がんの検査として大腸内視鏡検査は大変有効です。また、がん化する恐れのあるポリープを内視鏡で切除することも出来ます。

下剤2リットルでお腹を空っぽに!

大腸内視鏡検査を受ける場合、事前の準備が必要です。前日の20時ころまでに夕食を済ませ、指定の下剤を服用します。そして当日は、約2リットルの下剤を2時間ほどかけて飲み、お腹の中を空にします。 

下剤の内服終了後、2~3時間経過すると便は透明な液体状となり、検査が受けられる状態となります。検査自体は15分~20分程度です。

「痛くない」=腕の良い医師


大腸内視鏡検査では麻酔を使いますが、それでも痛みを感じる場合もあります。胃カメラの場合、痛みを感じない「挿入技術」と、「診断能力」は相関しないと記しました。

一方、大腸内視鏡は、挿入時に痛みを感じさせない「挿入技術」を持つ医師ほど、「診断能力」が高いと言っていいくらい、ほぼ相関があります。そもそも腸の内側自体は痛みを感じません。痛みを感じるのは、腸が引き伸ばされる時です。麻酔をかけているにも関わらず、痛みを感じる場合は、無理な力が加わっている可能性が高いのです。

大腸は薄く、強い力がかかると最悪の場合、破れてしまいます。そうすると緊急手術となります。痛みを感じたら、すぐに医師に伝えてください。「痛くない」ということは、それだけ「安全」ということでもあります。

がん検診は毎年続けることが大切です。早期がんで、痛みが出ることはまずありません。無症状でも年に1回は受けましょう。

「ホウドウキョク×FLAG7」 8/30放送分より


(執筆: 高山哲朗)