大発会で幕をあけた今年の東京株式市場。
日経平均株価は大幅に値上がりして始まり、順調な滑り出しを見せました。

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相場の格言に「噂で買って、事実で売れ」

このところ、投資マネーが株やドルに急速に流れ込む動きが続いています。
トランプ氏の当選のあと、この2か月間、株価やドル相場は上昇基調となっています。
トランプ政権は今月20日にスタートしますが、相場の格言のひとつに「噂で買って、事実で売れ」という言葉があります。
トランプ氏への期待といういわば「噂」が先行し、株やドルへの「買い」が進んだ市場が、実際の経済政策という「事実」を受けて、今後、「売り」に転じるかどうかが焦点です。

日本企業の対米戦略は根本から見直しを…

アメリカでの雇用を重視するトランプ氏は、トヨタ自動車がメキシコにつくる工場について、計画撤回を求めました。
内向きの「アメリカ第一主義」が強まれば、日本企業の対米戦略は根本から見直しを迫られます。
また、現在の円安ドル高は日本の輸出企業には有利、アメリカの輸出企業には不利ですが、トランプ氏がこの状況を容認せず、円高ドル安を促す姿勢を打ち出せば、日本の輸出には大きなダメージです。

「世界のお金の流れの先行き」も懸念材料

もうひとつの懸念材料は、世界全体のお金の流れの先行きです。
アメリカは、好調な経済指標を背景に、金利を徐々に上げていく方向です。トランプ政策への期待で、アメリカには世界中からお金が集まりつつありますが、今後、景気拡大路線で、金利引き上げのペースが早まれば、高い利回りを求め、お金はアメリカにさらに集中します。中国や中南米、東南アジアなど世界の景気を引っ張ってきた新興国から投資マネーが急激に流出すれば、世界経済は動揺し、日本も無関係ではいられません。

5年目に入ったアベノミクス


日本国内では、デフレからの脱却を目指すアベノミクスが5年目に入りました。
去年2月には日銀のマイナス金利という新たな黒田バズーカが撃たれましたが、物価も消費支出も、前の年と比べた伸びはゼロを下回る状態が続き、景気の本格的回復への劇的な効果はみられません。安倍政権は経済界に対し、4年連続の賃上げを求めていますが、実効性のある成長戦略は、依然として打ち出されていないと言えます。景気を上向かせるために、政府日銀は、企業が稼いだお金を賃上げや投資に回せる環境を整える一方で、企業は、収益力を強化することが不可欠です。

トランプ氏の舵取り一つで相場が翻弄されそうな今年、お金のめぐりをよくして景気を成長軌道に乗せられるのか、企業は経営力が、政府日銀は政策実行力が問われる1年になります。