食品ロスを減らすことが世界的な課題となる中、カルビーは5月30日、ポテトチップスの賞味期限を延ばすと発表した。

対象となるのは、ポテトチップスのほぼ全品となる約100種類。

円筒状の容器に入った「ポテトチップスクリスプ」は、6月1日の製造分から変更し、賞味期限は12カ月から13カ月に延長。

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袋入りの「ポテトチップス商品」は、10月1日の製造分から変更し、賞味期限は4カ月から6カ月に延長する。
同時にそれぞれ賞味期限の表示内容を「年月日」から「年月」に変更する。

食品ロス削減に向けた取り組みの一環なのだというが、なぜ、賞味期限の延長が可能になったのか?従来の技術では不可能だったのか?
カルビーの広報担当者に“技術的な理由”を聞いた。

油の変更や内袋を厚くすることで延長が可能に

――なぜ賞味期限の延長が可能になる?

「ポテトチップス商品」については、フライ油の種類や配合の変更による、劣化の研究や評価を行い、劣化しにくい種類や配合への変更を行いました。

「ポテトチップスクリスプ」については、内袋を厚くして劣化を防止するように改良を行っています。


――従来の技術では賞味期限の延長は難しかった?

以前から、品質改良を目的とした取り組みは行っておりました。

今回、食品ロスの削減が世界的な課題となっているという背景もあり、賞味期限延長の可能性について再検証をしたところ、賞味期限を延長しても、品質が維持できることの確認が取れたため、延長をすることにいたしました。

賞味期限の表記を「年月」に変更する理由

――賞味期限の表記を「年月日」から「年月」に変更する。この理由は?

店頭や物流においては、より効率的な作業管理につながるのではないかと考えております。

また、お客様におかれましても、「年月日」ではなく「年月」表示であることによって、「賞味期限が1日過ぎたら捨てなければいけない」という“心の負担”が軽減し、それによって、食品ロス削減につながるのではないかと考えております。


まだ食べられるのに捨てられてしまう、いわゆる食品ロスは、日本で推計年間643万トン。
政府が2030年度までに、2000年度に比べて食品ロス半減を目標に掲げる中、5月24日、食品ロス削減推進法が成立した。

袋入りの「ポテトチップス商品」は、油の種類や配合の改良で賞味期限を延ばすことに成功したという。カルビーが始めたこういった試みが広がり、食品ロス削減につながることを期待したい。


プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。