不登校の子どもたちが全国で過去最多を更新する中、安心して過ごせる、学校以外の「居場所」づくりに取り組む人が増えています。

しかし課題となっているのが「支援」と「運営」の両立です。現状を取材しました。

先月末、入善町。地元のイベントにキッチンカーを出店していたのは、岩上亜耶さんです。

入善産の米粉を使ったワッフルを提供しています。ただ、飲食が本業というわけではありません。

*NPO法人『まいぺーす』 岩上亜耶代表
「私はあくまでも『居場所づくり』の代表」

売上は地域の「居場所」の運営資金になっています。

岩上さんは入善町で古民家を借り、NPO法人として子どもたちのための居場所、「まいぺーす」を開設しています。

立ち上げたのは4年前のコロナ禍。不登校になったり、生きづらさを感じる子どもが増えた時期でした。

当時、新川地域では不登校支援の民間団体がほとんどなかったといいます。

学校に通っている子もそうでない子も、そして広く地域の人が集まり自分のペースで過ごせる場、誰かとつながれる場として開放しています。

*NPO法人『まいぺーす』 岩上亜耶代表
「特別に私が何かするわけではない。本当にただ寄り添って見守る。一緒に遊んで、喋って、お茶飲んでっていう生活」

自身も中学生のころ、保健室登校をしていたという岩上さん。教室でも家でもない、「第3の居場所」に救われた経験もあって、居場所の必要性を感じています。

*NPO法人『まいぺーす』 岩上亜耶代表
「学校に行ってて大人しくしているような子どもたちがここに来るとすごく甘える。『一緒に遊ぼう』とかきょうあったことをワーッと話してくれたり。そしたらちょっと明るくなってまた学校に行く(ことがある)疲れたりしたらまた放課後ここに集まって、みんなで喋って、ごはん食べて『あ、ここがなかったらもしかして』って思う瞬間もある」

不登校の小中学生は、最新の調査で全国でおよそ35万人と過去最多に。県内では2624人と高止まりしています。

さらに文部科学省によると、不登校の児童生徒の3人に1人が(約14万人)専門的な相談や指導につながれておらず、孤立しているといいます。

孤立を防ぐためにも重要な、地域の居場所。ただ課題は、支援と運営の両立です。

「まいぺーす」の利用料は、基本的に1回200円。活動には地域の人もボランティアとして参加し、運営資金は、キッチンカーの売り上げのほか、複数の企業からの寄付もあります。

ただそれでも安定した収入源の確保は厳しく家賃や光熱費・通信費など、固定費の半分以上は手弁当です。

*NPO法人『まいぺーす』 岩上亜耶代表
「立ち上げより継続するってすごく何十倍も大変」

県内の「フリースクール」などはここ数年で急増し、不登校支援の民間団体によるとりまとめでは、少なくともこの2年で13か所増えました。

県も2024年度から「居場所」の開設にかかる費用や、特色ある取り組みの運営費を補助するなどしています。

ただ、継続的な運営そのものを補助する制度はありません。

多様な活動内容に対して、一律で支援するのが難しいためとしています。

*NPO法人『まいぺーす』 岩上亜耶代表
「立ち上げだけに支援するとたぶんバンバン立ち上がると思う。でも1年、2年と継続するのは本当に難しい。どんどんなくなっていく。『やりたいって始めたんだから自主的に』言ってることも分からないでもない。始めるときに助成するからやっていけるような仕組みをつくってということ」

Q.ただどうしても営利目的でやっているわけではない
*NPO法人『まいぺーす』 岩上亜耶代表
「(原動力は)やっぱり一番は子どもたちの笑顔。『ここがあってよかった』『ここに来てよかった』そういう顔を見ると、絶対何としてでも続けていかなきゃいけないっていう気持ちになる。なくしたくないっていう思いでいっぱい」

県が去年、居場所づくりなどに取り組む県内29の事業者に初めて行った調査では、「利用料などで運営費すべてをまかなえている」と回答したのは3事業者のみ。

寄付や自己負担で成り立っている事業者が少なくないこともわかりました。

地域の「居場所」の運営を持続可能な形にするにはどうすればいいのか。社会全体で考えたいと思います。

富山テレビ
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