栃木・宇都宮市で目撃情報が相次いだクマは、1頭が住宅の敷地内で捕獲されました。
ただ、市内にはまだクマがいる可能性もあり、警戒が続いています。

住宅街を流れる川を器用に泳ぐクマ。
これは9日午後1時過ぎ、栃木・宇都宮市中心部の住宅から撮影された映像です。

クマは川岸に生えている植物の隙間からブロックを伝い岸壁を登ると、器用にフェンスをよじ登り、住宅の庭へと降り立つと、そのまま住宅街へと歩いていきました。

近隣住民:
水門のここです。こんな近くに!って感じでびっくりして…。

近隣の住人が撮影した映像を見ると、川を泳いで移動したクマは、水門に阻まれ引き返してきたとみられます。

“クマが目撃された”との情報が駆け巡り、JR宇都宮駅から約2kmの距離にある住宅街は騒然。

市の中心部にある住宅街は、通報を受け集まったパトカーや、さすまたを持った捜査員が警戒を続けるなど、緊張感に包まれました。

警戒にあたった警察や消防などが住宅の敷地内に潜むクマを発見。
事態が動いたのは午後2時半前のことでした。

逃げ込んだ住宅に、麻酔銃を持った動物園の職員などが取り囲む“クマ包囲網”が敷かれました。

隣のマンションからも警戒を続ける中、クマのもとへと麻酔銃を構えた職員が歩みを進めます。

動物園の職員が3回麻酔銃を撃ち、3発目が命中。

麻酔銃で眠ったクマをおりに運び入れ捕獲。
クマは猟友会に引き渡されたということです。

宇都宮動物園 麻酔銃を命中させた職員・磯さん:
クマから僕まで5メートルくらい。それ以上はちょっと危なくて近づけないので。(Q.どこに命中)胸ですね。僕の方を見ていたので、お尻を狙いたかったが、もうチャンス1回しかなかったので。

捕獲されたのは体長1m20cm~40cmある成獣とみられています。

川を渡る直前にクマが通ったとみられる住宅にある畑には大きな足跡が残っていました。

男性は「(クマの)足跡だと思います。誰も歩いてないので。目撃情報がすごく近かったので心配はしたが、まさか隣に来るとは思わなかったですね」と話しました。

宇都宮市では6日から少なくとも18件以上の目撃情報があり、9日も未明から朝にかけて、市の中心部の小中学校付近で目撃情報が相次ぎました。

午前6時ごろには、宇都宮大学付近で目撃情報があり、キャンパス前の看板には、クマの「目撃情報あり」という手書きの貼り紙が。

大学の敷地内では、消防がドローンを使ってクマを捜索していました。

宇都宮市では、小中学校に加え宇都宮大学も休校になるなど、市民生活にも影響を及ぼしている宇都宮のクマ。

先ほど1頭のクマが捕獲されましたが、宇都宮市は「今まで目撃されたクマが同一個体かは定かではなく、複数のクマがいる可能性もある」としています。

これまで宇都宮市内で撮影されたクマの映像を専門家に確認してもらいました。

茨城県自然博物館・山崎晃司館長:
これが同一個体かはなんとも言えないが、ただすごく東武宇都宮駅のオリオン通りのクマは、他の映像に比べるとちょっと小さいなという印象がある。毛並みも違うし。

市内各地で目撃された大きなクマと比べ、繁華街の商店街を横切ったクマは小柄に見えるといいます。

市民の間でも“クマは複数いるのでは”との情報が広がっていて、「なんか大きさが違うから親子クマなんじゃないかっていう。だから犬の散歩しないっていう人、結構いますね。襲われても困るし」など、安心できないとの声が聞かれました。