コシの強さが特徴のさぬきうどんに、揚げたてサクサクの天ぷらを添えた天ざるうどん。
この国民的麺料理「うどん」にも、中東情勢悪化の影響が迫る事態となっています。
9日、「イット!」が訪ねたのは東京都内のさぬきうどん店「香川 さぬき麺業」です。
コシの強いさぬきうどんを好みのスタイルで味わえる人気店ですが、店長からは不安の声が聞かれました。
香川さぬき麺業 東京駅店・杉山柔和店長:
うどんに合う小麦がオーストラリアの小麦で、どう対応しようかなというところ。
不安の要因となっているのが、うどんの原料として広く使われているオーストラリア産小麦の収穫量。
燃料や肥料の価格が高騰する中、オーストラリア農水省は、7月からの1年間の生産量がマイナス26%と大幅に減少する見通しを示したのです。
日本うどん協会によりますと、オーストラリア産の小麦はさぬきうどん全体の実に9割近くに使われているといいます。
心配されるのは、それによる値上がり。
中東情勢悪化の影響で、すでに店では6月から小麦の仕入れ値が25kgあたり100円上がったといいます。
オーストラリア産の収穫減少が今後、どの程度影響するかは「まだ分からない」としつつも、状況によっては値上げも検討せざるを得ないとしています。
さぬきうどんの9割近くでオーストラリア産小麦が使用されていることについて、来店客からは「全然(知らなかった)。日本のものだと思ってた。子供が好きなので、外食だとうどんを選ぶことが多い」「うどんは低価格でおいしく食べられるイメージ。ちょっと値上がりするとつらい」などの声が聞かれました。
フードジャーナリストの山路力也さんは、オーストラリア産小麦の特徴について、「特にさぬきうどんに代表されるコシが強いうどんを非常に作りやすい小麦。日本国内の小麦もあるが、すぐ代わりで同じうどんが作れるかというと、なかなか難しい」と話します。
取材したうどん店では、小麦だけでなく天ぷら作りに欠かせない油や電気・ガス代の高騰にも見舞われているといいます。
香川さぬき麺業 東京駅店・杉山柔和店長:
特に油なんかは今月上がってますね。うどんといったら天ぷらなので、もろにくる。(値上げの話は)まだだが近いとは思う。質は落とさずに頑張るしかない。
今後の影響について、フードジャーナリスト・山路さんは「要は小麦の取り合いになってくるだろう。うどん店ももう値段を上げざるを得ない状況になっていると思う。なので安くておいしいうどんというのは、結構厳しい時代に入っているのかな」と指摘します。
業界関係者からは、オーストラリア産小麦の中長期的な調達コストに影響が広がることで国産小麦との配合などの工夫を迫られる可能性もあるとの声も上がっています。
はたして、国産小麦シフトに勝機を見出すことはできるのでしょうか。
オーストラリア産の小麦減産見通しが示され、今後、うどん店への影響が心配されている中、フードジャーナリスト・山路さんは「国産の銘柄にこだわって、日本の小麦を使ったうどんを前面に打ち出すとか。中小とか個人のお店が今後勝っていく、生き残っていくためには明確な差別化をしていくしかないんだろうなというふうには思う」と話しています。