業界の最前線や世界の舞台に挑む山陰ゆかりの企業や人にスポットを当て紹介するコーナー『山陰のリーダーズ』。
1回目にスポットを当てるのは鳥取生まれの「生ドーナツ」店です。
2024年に1号店を出店してから2年余りで全国26店舗に拡大し、海外進出も果たしています。
鳥取から全国さらに世界へ…急成長の理由を探りました。

独特なモチモチ食感が人気の「生ドーナツ」。
各地で行列ができる人気のドーナツ店、実は発祥の地は鳥取県です。

「TRUFFLE DOUNUT(トリュフ ドーナツ)」運営するトリクミ・古田琢也社長:
1日で1300個くらい売れた。

その勢いは海外にも。
「鳥取発」のドーナツが快進撃を見せています。

食い倒れの街・大阪。
その「東の玄関口」京橋駅から昔ながらの商店街を抜けた先のほどよく静かな町の一角にその店はありました。

70代の夫婦:
「1回食べてみたいと思って」
「モチモチと聞いて」

女子大生:
ミックスジュースとイチゴ味を買いました。

幅広い世代を虜にしていたのは「生ドーナツ」。

女子大生:
めっちゃうまい。

水分量の多い生地はとろけるような口どけ…これまでになかった口当たりです。

「TRUFFLE DOUNUT(トリュフ ドーナツ)」は大阪のほか、東京、京都、鹿児島など国内に26店舗。
多くの店で進出からしばらくたっても行列ができる人気ぶりで、「第5次ブーム」とも言われる近年のドーナツ人気のけん引役にもなっています。

安部大地記者:
鳥取市の丸由百貨店です。こちらにもありました。『TRUFFLE DOUNUT』です。全国各地に広がるこちらのドーナツ、実は鳥取生まれです。

実は鳥取県が発祥の地で、2024年3月に鳥取市の丸由百貨店にオープンした店が1号店、「本店」です。
店の名前でもあるトリュフパウダーをまぶしたドーナツが定番ですが、一番の特徴はモチモチの食感、その秘密が…。

調理スタッフ:
かぼちゃを潰したものを入れました。かぼちゃが保水力を高めてくれて生地の水分量をキープできる、自然な甘味を加えてくれるのがポイント。

カボチャを混ぜ込むことで生地の水分量を増やし、しっとり、モチモチした食感を作り出します。

この店を手がけるのは、鳥取県八頭町に本社を置く「トリクミ」という会社。
代表の古田琢也さんは八頭町出身の39歳。
専門学校を卒業後、アートディレクターとして東京のデザイン会社に勤務したあと、2015年にUターン、この店を創業しました。

民間の市場調査会社によると、国内のドーナツ店の市場規模は2025年の時点で1678億円と見込まれ、2026年はさらに広がると予測されています。

第5次ブームと言われ、コンビニなど異業種の参入も相次ぐなか、なぜ鳥取からその一角に割って入ることができたのでしょうか。

「TRUFFLE DOUNUT(トリュフ ドーナツ)」運営するトリクミ・古田琢也社長:
1日で1300個くらい売って月4万個から5万個くらい。日本で一番の田舎の場所で成立するドーナツ屋さんだと他の地方の方々も『じゃあ、うちでもできるんじゃないか』と思ってもらえた。

鳥取の店で1日に最も売れたのは1300個。
人口最小の鳥取県で「これだけ売れる」という実績がものを言い、1号店の出店から2年余りで26店舗に拡大、想像を超えるスピードでフランチャイズ展開が広がっています。

「TRUFFLE DOUNUT(トリュフ ドーナツ)」運営するトリクミ・古田琢也社長:
フランチャイズオーナーさんの店舗の売上も全部合算して大体12億くらいの売上規模になっています。

急成長を支えるのは商品力だけではありません。
県外では、駅近くや幹線道路沿いなどいわゆる一等地ではなく住宅街周辺に出店先を絞るなど、家賃などの経費を抑える戦略です。

購入客:
「インスタで見て」
「奥さんがインスタで見つけて『買ってきて』と言われた」

また広告を打たず、宣伝はSNS中心。
客の「口コミ」やインフルエンサーの拡散による浸透を狙います。
地元・八頭町に戻って同世代の仲間とカフェレストランの経営や廃校になった小学校の校舎を活用した地域づくりの拠点施設の運営を手がけてきた古田さんにとって、異業種のファストフード店への参入は、思い切った決断でした。

トリクミ・古田琢也社長:
コロナの3年間、飲食は非常に苦しい時代で。一緒に働いていたメンバーも抜けていったりとか、会社自体、事業を一個なくしたりとか、そういった整理をして乗り越えてという感じで転換期という形で、事業をやり始めた。

決断を後押ししたのは「コロナ禍」で感じた危機感。
ピンチを乗り切ろうと目を向けたのが「鳥取から全国へ」。
まだ競争相手の少ない新ジャンルの生ドーナツなら全国でも勝負できると可能性を感じました。

トリクミ・古田琢也社長:
これは冷凍ですね、まだ試作の試作。

トリクミ・古田琢也社長:
もっと生地薄くてもいいかな。すぐ飽きられてしまうので、商品開発が大変。ドーナツ食べて6、7キロくらい太りました。

こうした新商品開発と並行して打つ次の一手が、海外への展開です。
6月に新たにカナダ・バンクーバーに出店しました。

日本での人気を知った現地のカナダ人から引き合いがありました。
台湾やタイなどアジアですでに3店舗を展開、台湾では6時間待ちの行列もできるなど、日本生まれの生ドーナツはまだまだ可能性を秘めていると感じています。

トリクミ・古田琢也社長:
流行り廃りの波が激しいので、お客さんにいつ飽きられるのだろうという怖さはもっています。自分たちのドーナツを食べて美味しいって言ってくれる世界は夢があるなと思って挑戦しています。

鳥取生まれのスイーツが世界に認められるのか…古田さんの挑戦と模索が続きます。

TSKさんいん中央テレビ
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