「いまゆっくりと持ち上がりました」
きょう(9日)未明、広島市中区の平和公園に植えられた大きな木。
どこから運ばれてきたかというと…。
自転車道の整備が進む平和大通り沿いで人々の暮らしを見つめてきた推定樹齢70年ほどのクスノキ。
【広島市 公園整備課・白松保幸課長】
「被爆樹木ではないが、みなさんに親しんでいただいた平和大通りの大きな木。そういうものを大事に育てていきながら平和公園の軸線の景観向上にも資する取り組み」
これは広島市が平和公園の“目指すべき姿”とする画像です。
原爆資料館から原爆ドームを望む際、周辺に建造物などが見えない景観を実現しようと今回、クスノキを移植します。
【広島市 公園整備課・白松保幸課長】
「(当初の計画は)新しく木をかってきて植えるというところからスタートしたが、樹木の育成となると20年30年かかるということになるので、比較的背の高い立派なクスノキがあれば持ってきてもいいんじゃないかと。自転車道で支障になるクスノキを持っていこうということになった」
そんなクスノキの“引っ越し”ですが、先週木曜日の深夜から始まった作業では木を抜こうにも思うように根が切れず苦戦。
【鈴木記者】
「これまでの知識を生かして職人の方々もあの手この手でいまこのクスノキと戦っていますがなかなか思うように抜けません」
当初の予定を大幅に超えて木が抜けたのは辺りが明るくなってからでした。
目指すべき姿の実現に向け歩みを進める広島市。
またもあいにくの雨となった昨夜…。
【鈴木記者】
「平和公園です。原爆の子の像のすぐ近く、いま囲いがされていますが、発掘調査を終えて今回植えられるということで大きな穴があいていますね」
「午後11時半前です。平和公園内をゆっくりとクスノキを積んだトレーラーが進んでいきます。こうしてみても非常に長いトレーラーで運んで来たんだなというのがよくわかります」
他の木々に当たらぬようクレーンで吊りあげ、慎重に植え込み作業が行われました。
【鈴木記者】
「この場所、まわりをみてみるとこのように何本も木が植わっているが、今回のクスノキ、高さでいうとここの5~6本の木と比べると一番高いのかなという気がします」
そして…。
「午前3時です。ほぼほぼ位置が定まりました」
【広島市 公園整備課・白松保幸課長】
「おおむね3日間かけてクスノキを移植することができて、大きなヤマ場を越えたということで一安心している。移植した後も樹木を大事に育てながらということになりますので、すぐ完成ということはないが、いい環境で育つように維持管理を頑張っていきたい」
また、今回植えたクスノキの周辺では、ほかの木々も景観向上のために公園内で移植する予定があるということです。
《スタジオ》
平和公園では原爆資料館、慰霊碑、原爆ドームの南北を結ぶ線を平和都市広島の“象徴”としてこちらの画像のように空と緑に囲まれた景観を目指しているということです。
【コメンテーター:広島経済大学・石野亜耶 准教授】
「空と緑とということで綺麗だなと思いますが、70年の歴史を持つクスノキを伐採ではなくて移植することで、道路の整備と景観保全に役立てる、両方の点に役立てるという点でとてもいいなと思いました」