長野県千曲市の中学3年のバイオリニスト・小出岳悠さんが、初のリサイタルを開きました。国内外のコンクールで多くの受賞歴をもち、かつてNBS長野放送のスタジオでも演奏してくれた少年です。
■8年の時を経て…洗練された音色
2018年。小学1年のころの小出岳悠さん。
NBS長野放送のスタジオで生演奏をしてくれました。
小出岳悠さん(小学1年生の時):
「みんなを感動させられるバイオリニストになりたいです」
それから8年―。
中学3年になった岳悠さん。
洗練された音色。
演奏や動きに力強さも加わりました。
小出岳悠さんは千曲市の中学3年生、14歳のバイオリニストです。
5月30日、上田市のサントミューゼで初めてとなるリサイタルを開きました。
小出岳悠さん:
「自分らしい演奏をして、みんなが感動していただけたらうれしい」
■3歳で始め、休日は東京でレッスン
岳悠さんがバイオリンを始めたのは3歳の時。
きっかけは外国の少年がバイオリンを弾いている動画を、偶然見つけたことでした。
両親のサポートもあり、練習を重ねていくと、腕前はめきめきと上達。
6歳で出場した日本クラシック音楽コンクールでは、全国の子どもたちがエントリーする中、バイオリン部門幼児の部で、最高位(2位)の賞に輝きました。
小出岳悠さん(小学1年生の時):
「最初は5位くらいかと思ったけど2位だからびっくりした」
その後もバイオリンの腕を磨き続け、海外でのレッスンにも参加。
小学4年からは世界的なバイオリニスト・神尾真由子さんに師事し、休日には東京まで通い、レッスンを受けています。
そしてこれまでに国内外のコンクールで数々の賞を受賞。
今後が期待されるバイオリニストにまで成長しました。
■初のリサイタルへ「妥協なし」
そんな岳悠さんですが、リサイタルを行うのは今回が初めてです。
小出岳悠さん:
「(リサイタルは)全部自分一人でずっと弾いているわけなので、曲数も増えているので、そういったところでこういう舞台をいただけているというのが、自分の成長に本当にすごくつながっている」
リサイタル前日のリハーサルでは共演するピアニストの深沢雅美さんと入念に確認を行いました。
実は深沢さん、小学1年の時から岳悠さんにピアノや音楽の基礎訓練を指導している先生です。
小出岳悠さん:
「若干ずれた気がするので」
気になった部分は相手にきちんと説明し、調整する岳悠さん。
初めてのリサイタルに向けて妥協は一切ありません。
小出岳悠さん:
「あしたは満員御礼ということで、たくさんのお客さまが来ていただける。深沢先生と一緒に音楽をつくり上げていく。作曲家の意図のところも考えながら自分らしい演奏をできていけたら」
■チケット完売、350人が会場に
そして迎えたリサイタル当日。
本番前の最終リハーサルに臨む岳悠さん。
緊張感とともに、リサイタルに向けた気迫が伝わってきます。
小出岳悠さん:
「たくさんのお客さんに来ていただけるということで、もちろん緊張もしているんですけど、それよりも自分の演奏をしっかりと、自分らしい演奏を最後までやりたい」
リサイタルのチケットは完売し、350人を超える観客が会場に詰めかけました。
■フランス音楽の旅へいざなう
そして、本番へ―。
堂々と、優雅に。
岳悠さんが奏でるバイオリンと、深沢さんのピアノの音色が観客を包み込みます。
1曲目終了後には―。
小出岳悠さん:
「ステージ後ろの方に普段は入らない合唱席のお客さまがいるので、360度から見られているということで、とても緊張しています」
リサイタルでは4つの楽曲を演奏。
時代をたどりながらフランス音楽の魅力を旅するような構成を考え、選曲しました。
■締めくくりはヴァイオリンソナタ
そして最後の曲に選んだのがー。
小出岳悠さん:
「きょうのフランス音楽の旅の締めくくりとして最後までお楽しみください」
♪「ヴァイオリンソナタ 第1番 二短調」
2時間以上に及んだ初のリサイタル。
350人を超える観客は岳悠さんの演奏に魅了されました。
■「素晴らしい」観客を魅了
観客:
「素晴らしいですよね。音楽の捉え方がすごいし、プロ顔負けですよね」
「素晴らしいの一言に尽きるのですが、これから引っ張りだこになるのでは」
共演したピアニスト・深沢雅美さん:
「胸いっぱいです。最初の出だしのフレーズから岳悠くんの魅力があふれ出ていて、彼の集中力が素晴らしかったので、一緒に演奏していて本当に楽しかった」
3歳でバイオリンを始めた時から、ずっと見守ってきた両親は。
岳悠さんの父・小出真史さん:
「落ち着いてできていたと思いますし、もちろん本人が課題はよくわかっていると思うので、その辺りは自分なりに解釈して取り組んでくれればいいかなと」
■音楽系の高校へ 14歳が描く今後
小出岳悠さん:
「初めてのリサイタルにもかかわらず大勢のお客さんに来ていただいて、演奏できてよかった。改善する点もあるんですけれど、バロックからロマン派にかけての違いはつくれたのではないか。毎回、コンサートの度によりよい演奏をお届けできたら」
今後については、今のところ、音楽系の高校への進学を考えているという岳悠さん。
14歳の中学3年生。
その奏でる音色は、これからも多くの人を魅了し、バイオリンの世界での活躍が期待されます。