愛媛県内の今年度入社の採用で、企業の約7割が「新卒の採用計画」を下回り厳しい状況になった調査結果を、民間のシンクタンクが発表しました。初任給の引き上げが容易でないなか、学生の採用は情報発信と職場体験のあり方がカギになると指摘しています。
この調査結果は、いよぎん地域経済研究センター(IRC)が、愛媛県内の企業に今年2月から3月にアンケート調査し、268社から得た回答を分析し、5月11日に公表しました。
結果によりますと愛媛県内の今年度入社の採用で、「新卒の採用を実施した企業」のうち「計画より少なかった」が38.0%、「採用できなかった」が32.5%に。あわせて70.5%が採用計画を下回りました。
業種別では「運輸」「建設」で半数以上が「採用できなかった」としています。この一方で「計画通り採用できた」としたのは「化学」が全ての企業、「印刷」で66.7%、「医療:福祉」で60.0%に上っています。
従業員別で「採用できなかった」とした企業の割合は、「20人以下」で61.1%になった一方、「101人以上」は9.9%に留まり、規模が小さいほど採用難になっています。
地域別で「計画通り採用できた」と回答した割合は中予が36.5。東予と南予と比べ、10ポイント以上上回っています。
「計画通り採用できた」とした企業で有効だった取り組みは、「初任給の増額」が最も高く40.8%。次いで「職場体験の充実」が32.7%、「リアルな企業情報の発信」が26.5%と続いています。
大学生の就職活動で重視されたのは、2025年のデータで「職場体験・インターンシップの充実」「労働環境・働くイメージの情報発信」が共に8割を超えていました。
「採用できなかった」企業が十分でなかったとした取り組みは、「リアルな企業情報の発信」で半数を占めています。
この状況を受け、採用を成功に導く情報発信のポイントは、「ブランディングなど大きく構えず、スタッフのブログや何気ない職場の日常を投稿する」「知名度が低い企業は業種・業界単位で発信」などをあげています。
行政や支援機関には支援策として「中小企業合同の説明会」を39.2%が求め、次いで「職場環境や実習環境の支援」が25.7%、「採用活動にかかるコストの一部助成」が22.4%と続いています。
愛媛県内の新卒の就職希望者は5300人台で、10年前と比べ約1000人減っているなか、愛媛労働局によりますと、県内の企業に大学生が就職した割合は42.6%と低い状況です。
新卒の採用は今後も厳しい状況が見込まれるなか、企業にとって初任給の引き上げは容易でないとし、学生のニーズにマッチした情報発信などが採用のカギになると指摘しています。
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