ボタン1つで、税率8%と10%の切り替え可能なレジ

消費増税まで1か月余り。
外食産業が軽減税率の導入にビジネスチャンスを見い出している。

チャーハン製造ロボ
チャーハン製造ロボ
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自動で中華鍋をあおるチャーハン製造ロボや、色とりどりの野菜。
8月27日から始まったのは、外食業界の日本最大級の展示会「外食ビジネスウイーク」。

10月の消費増税まで、1カ月ほどに迫る中、開催された今回は、軽減税率をビジネスチャンスととらえた企業がずらり。
軽減税率に対応したレジを展示したブース。

ボタン1つで税率8%と10%を切り替え
ボタン1つで税率8%と10%を切り替え

ボタン1つで、税率8%と10%の切り替えができるほか、軽減税率が適用された商品のレシートには、“軽”の文字が記載される。
軽減税率のレジをめぐっては、27日、補助金要件の緩和が発表され、今後も軽減税率に対応したレジを導入する動きは加速するとみられる。

レシートに“軽”の文字
レシートに“軽”の文字

スカイダイニング・片岡宏明代表取締役
今回は抜群に皆さんの反応がいいというか、買うという意気込みで来ている客が多い。駆け込み需要が増えていると思っていて、今後、あと1カ月は大変なことになると思う。

スカイダイニング・片岡宏明代表取締役
スカイダイニング・片岡宏明代表取締役

テイクアウトの容器は機能性に加え“インスタ映え”

軽減税率の適用に向けて2019年初めて設置されたのが、テイクアウトとデリバリーに特化したコーナー。
中でも多かったのが、テイクアウトで利用される紙製の容器などを取り扱う企業。
クラウン・パッケージでは、軽さや油に強いといった機能性以外にもインスタ映えする製品作りに力を入れている。

さらに、ユーボのテイクアウト商品の受け渡しボックス。
スマホに届いた番号を入力するだけで、商品をピックアップすることが可能。
注文や支払いは事前に行えるため、レジの行列に並ぶ必要はない。

受け渡しボックス
受け渡しボックス

あの手この手で顧客の取り込みを図る企業に対し、会場に訪れた飲食業者は…

飲食店経営(50代)
当社でもテイクアウトはやっているので、8%に人が動く可能性もあるので、それに対して対策を練るために全体的に見ないといけない。

軽減税率の特設コーナーを作ったことについて、イベントの主催者・外食ビジネスウィークの堀正人実行委員長は…

イベントの主催者・外食ビジネスウィークの堀正人実行委員長
お土産や持ち帰りのニーズが高まっているので、『ぜひ開催してほしい』という(出展者側からの)声に応え、開催した。どんどん活性化して大きくしていきたい。

堀正人実行委員長
堀正人実行委員長

ITで運営効率化、生産性を上げ、賃金向上へ

三田友梨佳キャスター:
外食産業のこの動き、どうご覧になりますか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
中食とかデリバリーの市場はここ数年成長を続けているが、軽減税率が適用されることによって消費者からするとわかりやすいメリットが導入されるので、ここをチャンスと捉えて新規参入も増えるだろうし、競争も激化してくると思います。

石倉秀明氏
石倉秀明氏

三田友梨佳キャスター:
激しい競争に勝ち抜くためには何が必要ですか?

石倉秀明氏:
スマホで事前決済を終えてお店に取りに行くだけで良い仕組みの店も増えていますし、ゴーストレストランと呼ばれる、店舗はなくてデリバリーに特化したレストラン業態も出てきています。ITを使いながらお店の運営を効率化させていって、生産性を上げていくことが業界内でどれだけあるか。生産性が上がることによって、働く人の賃金向上が見込めてくると思うので、そこまで業界全体が広がれば良いと思います。

(「Live News α」8月27 日放送分)