日本の教員の勤務時間は世界1位
OECD(経済協力開発機構)が世界の小中学校で働く先生たちの実態調査を行った。中学校は世界48の国と地域、小学校は世界15の国と地域を対象に、 1週間あたりの教員の勤務時間を調査した。
果たしてどのような結果がでたのだろうか。
<1週間あたりの小学校教員の勤務時間>
1位 日本 54.4時間
2位 イングランド 48.3時間
3位 ベトナム 43.7時間
3位 オーストラリア 43.7時間
………………
最下位トルコ 31.7時間
<1週間あたりの中学校教員の勤務時間>
1位 日本 56.0時間
2位 カザフスタン 48.8時間
3位 アルバータ(カナダ) 47.0時間
………………
最下位ジョージア 23.5時間
このように日本の先生は世界一勤務時間が長いという結果となった。

しかし項目別では中学校の教員の場合、授業時間は18時間でこれはOECD調査平均の20.3時間よりも短いという意外な結果に…

忙しい理由は事務仕事…教育委員会のアンケート調査も増加
では日本の先生は一体何に時間を取られて忙しいのだろうか?
八王子市立浅川小学校清水弘美校長:
忙しさのほとんどの理由は事務仕事ですね。先生への教育委員会がらみのアンケート。調査ものがすごく多くて…いじめの調査・信頼できる大人がいるか調査・先生は体罰していないか調査・友達とトラブルになっていなかった調査。朝の7時に来て夜の7時ならまだいい方で本校でも夜の10時(に帰るの)はザラですね

加藤綾子キャスター:
なるほど、子供の前に立ってということではなくて事務作業なんですね?

福原直英キャスター:
そうなんですね。清水校長もおっしゃっていましたけれども、こちらのOECDの調査結果にも出ています。事務業務にかかる時間は平均が2.7時間なのに対し、日本はその約2倍の5.6時間。課外指導の時間も平均が1.9時間なのに対し、日本は7.5時間と4倍近くと突出しているんです。

今回のOECDの調査結果について文部科学省の担当者は「勤務時間の長さに危機感を持っている。働き方改革を推進していく」とコメント。
具体的には一つ目は勤務時間の管理徹底。二つ目に業務の仕分け、例えばクラブ活動に先生があたるのではなく部活動の指導員を委託するなど。三つ目に環境整備、先生の定数を確保できるような方策を進めていきたいとしている。

加藤綾子キャスター:
風間さんは先生の働きすぎ、どうですか?
風間晋解説委員:
時間は限られている、でもやらなきゃいけないことはたくさんある…という時に会社だと大事なことが優先だって言われるわけですよ。先生たちにとって何が大事なのかと考えたら、やっぱり学業や心身ともに子どもたちを育てることじゃないかと思うんですね。その実行を現場任せにするのではなく、教育委員会や文科省もしっかり支えていかなくてはいけないと私は思いますね

(「Live News it!」6月20日放送より)