「オンラインデートを重ねてから…」に変化

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3密の回避やソーシャルディスタンスの確保など、人と人との距離感に新しい習慣が根付きつつある現在。

そのような中で変化しつつあるもののひとつが、恋愛に関する距離感ではないだろうか。ふとしたきっかけで出会い、恋愛に発展していく…というようなことが感染予防を意識した日常では起きづらくなっているのではと思えるからだ。

こうした中、手軽に利用できる「マッチングアプリ」を出会いの場として活用する人もいると思うが、「マッチングアプリplus」を運営する株式会社エヌリンクスが、「コロナウイルス流行以降から現在に至るまでのマッチングアプリに対する心境の変化」に関するアンケート結果を公表した。

調査は、10月16~19日の4日間、マッチングアプリ利用中の男女500人を対象としたインターネットリサーチで行った。

マッチングアプリplus調べ
マッチングアプリplus調べ
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調査によると「コロナウイルス流行以降から現在に至るまで、マッチングアプリでの出会い方に心境の変化はありましたか?」という質問に対し、「コロナウイルスが収束するまでアプリは利用しない」と答えた人は18.8%となった。

そして、残りの約8割の現在も利用したいと考えている人のうち「オンラインデートやメッセージを重ねてから会いたい」という人が28.6%で最多。また、直接会わずに「オンラインデートやメッセージにとどめて活用したい」が20.6%と、アプリは利用するも“直接会うことに慎重的”な人は合わせて全体の約5割という結果に。

一方で「以前は自粛していたが今は直接会いたい」が19.8%、「以前から変わらず直接会いたいと思っている」という人が12.2%と、“直接会うことに積極的”な人も合わせて約3割いた。

“慎重派”の意見としては、

・コロナ感染リスクや時間の無駄を踏まえて、まずはオンラインで相性を確かめたい。(40代女性)
・きちんと行動を考えられるか、会う前から価値観がある程度合うかオンラインで見たい。(30代女性)


などがあり、一方の“積極派”からは

・会えないと意味がないと思っているので、以前から直接会いたい気持ちは変わらない。(20代男性)

という声が挙がっているが、アンケートを取った中で最も多かったのは「コロナの感染リスクを考慮し、会う前に相手との相性が合うか確かめたい」という声だという。


マッチングアプリと聞くと、まず互いのプロフィールなどから興味を持った人同士が、直接会って関係を深めるきっかけづくりのために使うもの…というイメージの人が多いだろう。しかし、そんなマッチングアプリユーザーが「実際に会う」ことに慎重になりつつある今、新型コロナがもたらした出会いや恋愛の意識の変化というものは大きそうだ。

では、具体的にどのような変化があったのだろうか? 株式会社エヌリンクスに、調査結果についてお話を伺った。

「相手を厳選してから出会いたい」人が増加

――今回、「マッチングアプリへの意識調査」を実施したきっかけは?

コロナ時代の始まりから時間が経ち、街などにも人が増えて活気が戻りつつあるかと思います。マッチングアプリでも、オンラインデートなどのコロナ時代に対応した機能が続々と追加されていく中で、マッチングアプリの使用者の中でも心境の変化などはあったのか調査するため実施いたしました。


――オンラインデートやメッセージを重ねてから会いたいという人が多い…どんな心理の変化があったと分析する?

より出会う相手を厳選してから出会いたいと考える人が増えたと考えられます。コロナウイルスが流行し、人との接触機会を減らしたいと考える人が増加したため「まずは直接接触しないオンラインデートで話したい」と考える人が増加したと考えられます。

まずは互いの趣味や性格などの情報を得るという、出会いのきっかけとしてきたマッチングアプリ。

しかし、新型コロナの感染拡大以降、一回一回の外出に感染リスクが伴うようになり、人との接触を減らしたいと考える人が増えた。そのような中で、より「出会いまでの準備」に時間をかける人が増えているようだ。

気軽に何度もデートをして、相性を見極める…というスタイルは、現在重視されている“新しい生活様式”の中で減りつつあるのかも知れない。

マッチングアプリは「コロナ時代にマッチ」

しかしその一方で、新型コロナへの対策が進み、人との交流も徐々に増えつつある中、「直接会う」というスタイルは必ずしも消えてしまう、というものでもないと同社は分析している。


――「出会い」の意識が変化している…今後もこのスタイルは続きそう?

コロナ時代が始まり、他人との接触を敬遠する方がほとんどとなったかと思います。ただし、昨今では飲食店やカフェなどでも徐々に対策が取られてきており、コロナ時代の始まり当初よりは、人々の意識も緩和されて来ているのではないかと考えられます。


――では、マッチングアプリの利用者数は今後どうなっていくと考える?

増えていくのではないかと考えております。

アンケート結果でもあるように約半数がオンラインデートを考慮している考え方となっております。いきなり他人と顔を合わせずに出会えるマッチングアプリのオンラインデート機能は、コロナ時代ともマッチしているので今後も増えていくと考えられます。

また、昨今ではテレビ放送で特集される機会も増え、マッチングアプリの知名度が上がると共に、昔の出会い系のような悪いイメージも払拭されつつあるので、今後も利用者は増えるのではないでしょうか。

 

恋愛に一歩踏み出す時に、感染リスクのことも頭をよぎってしまう新しい生活様式は、人との出会い方にも新たな距離感と価値観をもたらしているようだ。

調査機関:マッチングアプリPLUS
https://match-apps.jp/

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プライムオンライン編集部
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