人気のスイーツが高級食材に?

今大人気のスイーツといえば、なんと言ってもタピオカ
様々なドリンクと一緒に、特徴的な丸いツブツブを専用の太いストローでいただく「タピオカドリンク」は、専門店がしのぎを削る大ブームとなっている。

最近よく見かけるのは大粒の“黒タピオカ”だが、以前は小ぶりな“白タピオカ”をココナッツミルクに入れたスイーツが流行ったのを記憶している人も多いはずだ。

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前回の流行から約10年。“第3次ブーム”を巻き起こしているタピオカだが、丸いツブツブがたくさん集まったその姿、何かに似ていないだろうか……そう、魚卵である。



「こないだ久しぶりにタピオカ食べた時に『プリプリで魚卵みたいだなあ』と思ったので、お湯で戻したタピオカをイクラの漬けダレに一晩漬けてみた」

いくら…いやタピオカ…?
いくら…いやタピオカ…?

イクラに変身させることを思いついてしまったのは、Twitterユーザーの鵺(@nue_dotter)さん。
カツオ風味強めの白だし・みりん風味調味料・料理酒・薄口醤油などで作った漬けダレに“白タピオカ”を付け込むこと一晩。
うっすらと茶色の染み込んだタピオカにもはやスイーツ感はないが、これだけではまだ“謎のツブツブ”……しかし、日本人の条件反射だろうか。ホカホカの白いごはんに盛りつけると、本物よりもやや小粒とはいえ、もはや完全にイクラにしか見えない。

これは完全にいくらだ
これは完全にいくらだ

鵺さんによると、お味は「イクラと違ってプチプチ潰す食感じゃないけど、噛むと汁が染みだす感じとか舌触りや味はかなり近い」とのこと。
早速取材を申し込んだところ、鵺さんも最初は“ネタ”のつもりで「食べてみたけど微妙…」などと呟こうと思っていたそう。しかし、いざ食べてみたところ「思った以上にイクラが再現されていた」と教えてくれた。

この投稿には、すぐさま「天才現る…これは流行る」「いくら好きには天国」と、食欲と好奇心を刺激されたリプライが続々。

奇抜な発想から生まれた謎メニューだが、鵺さんによるとその“再現度”は「見た目70%、食感も70%」
中心に浮かぶ赤い色や「プチッ」という食感が再現されていないため減点したというが…鵺さんが使ったという「乾燥タピオカ」は150g入りで約200円。オンラインショップの値段を参考にすると、本物のイクラ150gの約10分の1の値段で作ることができるのだ。

本物の味を70%再現できているならば、これは非常にお得なのではないだろうか?
期待しながら、さっそく編集部でも試してみることにした。

実際にやってみた

白だし・みりん・料理酒・薄口醤油で作った漬けダレを、茹でて戻した乾燥タピオカ全体が浸るまで注ぎ、冷蔵庫で一晩。

乾燥タピオカを20分ほど茹でるとモチモチに
乾燥タピオカを20分ほど茹でるとモチモチに

茹でた直後はスイーツ感があったが、しっかりとタレが染み込み、薄茶色になったタピオカはイクラ度30%ほどになってくれた。

右の写真がタレに一晩漬けたもの。しっかりタレが染み込んでいる…
右の写真がタレに一晩漬けたもの。しっかりタレが染み込んでいる…

もっとイクラに近づけたいと鵺さんのレシピを少しアレンジさせてもらって、色付けのために食紅を投入。

すると、つやつやした赤い粒に漬けダレが絡み、スプーンにのせた見た目はかなり本物に近付いた…

もう少し赤みがほしい……ということで食紅をちょい足し
もう少し赤みがほしい……ということで食紅をちょい足し

見た目はかなりいい感じ…食べてみた

いい感じで見た目の再現はできたが、問題はそのお味。さっそく食べてみると…

口に入れた瞬間の丸くプリッとした粒の舌触りは、イクラ度90%!
プチッと弾ける食感はないが、とろりとした舌触りはでんぷんが溶け出したタレが補ってくれている。

しかし、タピオカそのものの味が淡泊なため、味はほぼ漬けダレそのまま。さらに一口噛んでしまうと独特のモチモチ感が主張してきて、「しょっぱいタピオカ」という謎の食べ物に早変わりしてしまった…

実際に食べてみた感想としては、全体として「イクラ度50%」ほど。
イクラの代用品になれるか?というとかなり難しそうだが、早くもTwitter上では「昆布茶」「ツナ缶の油」などで“磯の香り”を加えるレシピが登場しており、味はさらなる改良の余地がありそう。
なにより、口に入れた瞬間の「これは!」という驚きは、ぜひ一度体験していただきたい。



投稿者からは「はらこ飯」風の応用レシピも…
投稿者からは「はらこ飯」風の応用レシピも…

「Twitterを通じて様々な情報を教えて頂いたり共有出来たことは、反響があった事そのものより楽しかったかもしれません」と話す鵺さん。
投稿に対して、タピオカでイクラを作った“先駆者”が10年以上前にもいたという情報や、タピオカ粉を使ったクレープなどの料理の情報が交わされたといい、“タピオカイクラ”はユーザー同士のコミュニケーションツールにもなったようだ。

ちなみにこの“タピオカイクラ”、時間が経つと色の濁りや舌触りの変化が。鵺さんは「調理後すぐに傷んでしまうので、1、2食くらいで食べきれる量を作るのがいい」と注意を呼びかけている。


大人気のタピオカが思いがけず大変身した、こんなアイデア。
気になった方はぜひ一度試してみてはいかがだろうか?

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。